春節が徐々に近づいてきた。本来は家族が集まり、楽しく仲良く過ごす祝祭日だが、つきあいにかかる費用が増大し、人とあれこれ比較する風潮も強まり、多くの若者が「春節恐怖症」に陥っている。写真は中国のレストラン。

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春節(旧正月、今年は1月28日)が徐々に近づいてきた。春節は本来は家族が集まり、楽しく仲良く過ごす祝祭日だが、つきあいにかかる費用が増大し、人とあれこれ比較する風潮も強まり、多くの若者が「春節恐怖症」に陥っている。新華社が伝えた。

湖南省長沙市のサラリーマン夏佳さん(26)が最も恐れるのは春節連休期間の「多額の消費」だ。いとこたちに子どもができ、それぞれに少なくとも数百元(1元は約16.5円)のお年玉をあげなければならず、両親や年長者に包むおこづかいに宴会の費用もあり、最低でも数千元の支出は覚悟しなければならない。「自分のような働き始めてからそれほどたっていない者にとって、この支出はほぼ2カ月分の賃金に相当するもの」という。

「財布が大変」なだけでなく、「脾臓や胃腸が大変」なことも若者の悩みの種だ。毎年、春節にはさまざまな集まりがあり、小学校、中学校、高校の同窓会はもとより、親戚や友人からも代わる代わる招待を受ける。一つの会食が終わると次の会食、白酒の後はビールという毎日が続き、体は悲鳴を上げ、仕事がある日よりも疲れるというのが実態だ。

心理的に受ける無形の圧力も多くの若者が春節を避けたくなる要因だ。春節で一番いやなことは年長者から過去1年間にどれくらい稼いだか、ガールフレンドはいるか、いつ結婚するのか、いつ子どもをつくるのかなどと聞かれることで、自分を心配して言っているとは知りつつ、晩婚派にとってはこの上もなく大きなプレッシャーになる。

若者が「恐怖症」に陥るだけでなく、中高年の一部も同じように「帰郷恐怖症」にかかっている。山東省に家がある鄭さん(65)は、長沙で結婚した息子のところへ行って孫の面倒をみていた。「家に帰ろうとしても交通機関の切符はなかなか手に入らないし、帰ったら帰ったで親戚一同が集まる宴会を開かなくてはならず、連休中は毎日親戚を訪ねて贈り物を贈ったりもらったりしなければならない。もう年なので、体はつらいし気力もない」という。

中国の伝統的な考え方では、故郷を離れてがんばる人が帰郷する時には「故郷に錦を飾る」ことがこれまでずっと一番の願いとなっていた。だが今はつきあいにかかる費用が増大し、生活のストレスも増大し、成功の基準がどんどん高くなっていて、多くの人がどうしたらよいかわからなくなっている。湖南商学院で心理学を教える蒋瑛瑾さんは、「春節の『功利化』を図りつつ、伝統的祝祭日がもつべき文化的な内容や祝典ムードを保ち、他人と比べたり見栄を張ったりすることをやめ、家族で長く過ごすようにし、必要以上にメンツを気にしなければ、春節は負担ではなくなる」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)