モノクロ版もやっぱり最高な『マッドマックス 怒りのデス・ロード』/[c]2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED [c]2016 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

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2015年に世界中を熱狂させた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が、色を一切排除したモノクロ版の『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』として再び公開中。「どーせ、こないだのと一緒でしょ?」と思っている方も多いかもしれないが、実際に体験してみると、オリジナル版とは印象がまったく異なるものだった!

【写真を見る】『怒りのデス・ロード』モノクロ版はココが違う!!/[c]2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED [c]2016 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

■ ウォーボーイズがヤバい…ただでさえカオスな“世界観”がより際立つ!

オリジナル版を見た人はご存じの通り、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は核戦争後に荒廃した近未来の物語。ビルなどは建っていない見渡す限り砂漠が舞台で、登場キャラクターたちもボロボロの衣服を着ていたりと、まさに世紀末の世界だ。

今回のモノクロ版では、そんな世紀末観がとにかく際立っていた。モノクロになることで、主人公のマックスや砂漠の住人の“汚れ”や“傷”がより分かりやすくなり、生きていくには厳しい世界だということがリアルに伝わってくる。さらに、悪役のイモータン・ジョーやウォーボーイズといった“白塗り集団”が放つ異様な雰囲気は、オリジナル版以上。モノクロの世界だからこそ、不気味な集団に追われるマックスたちの恐怖をより体感することができた。

■ 徹底的に計算されたG・ミラー監督の“こだわり”に改めて驚愕!

本作の特徴といえば、細かい部分にまでキャラクターのモチーフ(例えば、金勘定が好きな人食い男爵の車のアクセルに小銭で「$」マークがあしらわれていたり…)が散りばめられ、とにかく情報量が多いこと。矛盾するようだが、色が排され、情報が減っているはずのモノクロ版ではこれまで以上に見えてくるものもあった。

それは“画”の完成度の高さだ。モノクロ版では色の情報に目を奪われない分、より俯瞰して、大きな画としてスクリーン捉えやすくなっている。実際、徹底的に計算された構図の美しさや照明の素晴らしい仕事ぶりなど、オリジナル版では気づかなかったジョージ・ミラー監督の“こだわり”を随所に発見することができた。

■ あのシーンの感動が増す!?フュリオサの“表情”にうっとり!

モノクロ版では、画の印象だけでなく、役者の演技まで異なって見えるから不思議。本作はそもそもセリフの量が少ないため、役者たちは表情によって心の機微を訴えかけていたが、そんな演出とモノクロ版の相性が抜群だ。5人のワイブスたちが水を浴びているシーンなど、周囲とのコントラストで、その美しさがより際立っていたが、特筆すべきはシャーリーズ・セロン演じるフュリオサ。彼女の精悍な顔つきはソリッド感が増し、本作屈指の名場面である慟哭シーンがオリジナル版以上に心に響いてきた。

そもそも、カラー映画がモノクロ版として公開されること自体あまりないことだが、それでも成り立ってしまうところが、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が後世に残る傑作であることを証明している。オリジナル版を見た方は、新たな発見や衝撃、感動を味わうことが出来るはずなので、見逃してしまうとこれは絶対に損だ!【トライワークス】