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 平和学の父として良く知られているノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトゥング氏が、トランプ氏が大統領に就任すると、<米国の崩壊は2025年から早まって2020年になる>と指摘した。当初、崩壊は2025年と指摘していた。それは2000年で、ブッシュ(Jr.)が大統領の時であった。トランプ氏の登場によって、それから5年早まったことになる。仮に、この予測が適中しない場合でも、確かなことはトランプ氏の思考浅薄で突発的な発言は今後も世界に敵を作り続けるということである。そして、彼の発言に同意できない閣僚スタッフは次々に辞任して行くであろう。米国の威信の失墜が始まると思われる。(参照:「Tele SUR」)

 CIAのブラナン長官でさえ、トランプ氏に<発言にもっと慎重であるべきで、それが意味するものをもっと認識すべきである>と要求したという。また、同氏はFox Newsのインタビューの中でも<「発言の内容が及ぼす影響を十分に理解した上で話や反論をすべきである。それが米国にとって、そのインパクトは時に非常に深いものであったりするからである」>と述べた。トランプ氏が往々にして軽率な発言をすることに注意を促したものである。(参照:「El Pais」)

 そのひとつが、大統領選挙戦中からトランプ氏が指摘していたメキシコと中国からの輸入品に対して35%の関税を適用するという発言であろう。この発言内容を脅迫のネタにして米国の自動車メーカーフォード、ジェネラルモーターズそしてフィアット・クライスラーは当初予定していたメキシコでの自動車の生産を中止して米国内の工場に投資して車を生産することに変更した。

 しかし、その脅威を一切無視してメキシコでの投資に変更がないことを確固たる意志でもって表明した自動車メーカがある。

 それは、BMWである。

◆トランプvsBMW

 BMW社がトランプの恫喝を一切無視して、メキシコでの投資に変更がないことを確固たる意志でもって表明したことに対して、ドイツ紙ビルトのインタビューにこう答えている。<「BMWは米国で新しい生産工場を設けるべきで、その方が同社にとって非常に良い結果になるはずだ」>。この発言は、すなわち、35%の関税がかかることになるというのを仄めかした発言である。(参照:「Sinembargo」)

 しかし、トランプの「恫喝」はどうも的外れなもののようだ。BMWの役員の一人シュヴァルツバウアー氏は、前出のトランプのコメントについてこう応戦している。<「米国における我が社は生粋の輸出自動車メーカーである。米国で生産し、輸出している。(米国からの)輸出は米国内での販売台数よりも多い。それは(米国)経済にとっても良いことだ」>と言って、米国がBMWの第二の故郷であるかのように語った。また、トランプ氏が高関税を適用すると同社を脅す以前に、別の役員の一人はフィナンシャル・タイムズのインタビューに答えて、<「メキシコ(で建設する)工場は臨機応変に世界のどこの国へも輸出できる生産体制になる。それは米国市場だけではない」>と述べている。(参照:「Sinembargo」)

 また、シグマーク・ガブリエル独副首相兼経済エネルギー相も、トランプ氏の発言に反論するかのように、<「そのような方針からは、米国の自動車産業は弱くなり、コストも高くなるであろう」>と述べている。また、ドイツ車が米国市場では溢れているのに、ドイツでは米国車を殆ど見かけないというトランプ氏の批判に、同副首相は<「米国がやらねばならないことは、競争力のある車を生産することである。そうすれば米国の自動車メーカーも販売先のオプションが増えることになる」>と断言した。(参照:「Sinembargo」)