温水洗浄便座や炊飯器などの家電に続き、訪日中国人観光客による「爆買い」のターゲットとされた日本の医薬品。この現象に中国医薬品業界の心中は複雑だろうが、深刻な大気汚染スモッグが発生するなか、再び彼らをヤキモキさせる「ブーム」が起きつつあるようである。(イメージ写真提供:123RF) 

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 温水洗浄便座や炊飯器などの家電に続き、訪日中国人観光客による「爆買い」のターゲットとされた日本の医薬品。この現象に中国医薬品業界の心中は複雑だろうが、深刻な大気汚染スモッグが発生するなか、再び彼らをヤキモキさせる「ブーム」が起きつつあるようである。

 中国紙・解放日報系のメディアである上観は17日、中国人観光客の間で今日本の「清肺湯」が人気になっているとする一方で、中国国内の伝統医学専門家が「盲目的な購入はやめるべき」との見解を示したことを報じた。

 記事は、日本の小林製薬が16種類の生薬を配合した薬品「清肺湯 ダスモック」を、スモッグに悩む中国人観光客向けに増産するという日本メディアの報道を紹介。そして、実際に日本観光から帰ってきた中国人女性が「確かに『清肺湯』を見た」と語ったことを伝えている。

 そのうえで「『清肺湯』には本当にスモッグ対策として有効なのか」と疑問を呈し、上海市にある第十人民医院の中医科医師の見解を紹介。「清肺湯」は中医伝統の処方を用いて加工したものであり、確かに肺をきれいにして痰を取り除き、咳を止める効果があるとしたことを伝えた。一方で「成分的には、主に黄色い痰の症状を治すもの。全ての人に適している訳ではない」との指摘も出たことを紹介した。

 記事は、この医師がさらに「ブームに乗って盲目的に『清肺湯』を買うよりも、体の機能を調節して抵抗力を付ける、そして、症状が出たら速やかに医師に診てもらった方が良い」と語ったことを併せて伝えた。

 日本のメーカーが作った生薬由来の薬品が、伝統医薬の開祖とも言える中国の市民から人気を集める背景には、「日本のものはいいもの」、「中国のものは安心できない」という対照的な2つのイメージが定着していることがあると言える。また、医薬品を食品やサプリメントと同じ感覚で購入し、使おうとする中国人消費者の知識の未熟さも問題として存在するのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)