米調査会社のアップアニー(App Annie)がこのほどまとめたモバイルアプリの市場調査リポートによると、昨年(2016年)は全世界における、アプリのダウンロード件数、利用時間、収益がいずれも前年実績を上回り、モバイルアプリ経済は依然、強い勢いがあるという。

ダウンロード数は15%増

 同社は、米アップルの「App Store」と米グーグルの「Google Play」を中心に調査を行っているが、この2つのアプリストアを合わせた昨年の年間ダウンロード件数は前年から約130億件増え、900億件超となった。

 その前年比伸び率は15%で、増加水準は2015年とほぼ同じだったという。

 また、2015年と同様、ダウンロード数増加の多くは、新興国市場におけるGoogle Playの伸びによるものだが、App Storeも成長している。

 とりわけApp Storeのダウンロード増加のほぼ8割は中国市場がもたらしており、アップルの成功は中国市場の成長がその背景にあると分析している。

利用時間は25%増

 このほかAndroidスマートフォンを対象に行った調査によると、ユーザーのアプリ総利用時間は、前年から25%増えて約9000億時間に達した。Androidスマートフォンユーザーは1日当たり平均2時間アプリを利用している計算になるという。

 アプリで最も利用時間が多かったのは通信(メッセージング)とソーシャルメディアのカテゴリーだが、ショッピングや動画ストリーミング、旅行といったカテゴリーも利用時間が増えている。

App Storeの収益は50%増、中国市場がカギ握る

 2016年にApp StoreとGoogle Playが得た収益を見ると、その合計金額は約350億ドル(約3兆9600億円)で、前年実績から40%増加。この伸び率は昨年の水準を上回っている。

 このうちApp Storeは前年比で約50%増加した。App Storeはすでに収益ベースで世界最大のアプリストアとなっているが、昨年は他社との差をさらに広げたとアップアニーは報告している。

 またアップアニーは昨年のリポートで、2015年は中国におけるApp Storeのダウンロード数が米国を上回ったと報告していたが、2016年は収益においても中国が米国を上回った。

 昨年10〜12月期の実績を見ると、中国のApp Storeの収益は20億ドル(約2265億円)を超え、同サービス史上最大の国別収益を達成した。

 これは成長続く中国アプリ市場がもたらすもので、同国市場に参入していないアプリストアはチャンスを逃している可能性があると同社は指摘している。

モバイルアプリ経済の世界規模は約10兆円

 なお、Google Playは中国市場で遮断されており、同国ではサービスが利用できない状況だが、それを補うかのように地場のアプリストアが多数登場している。

 例えばバイドゥ(百度)、アリババ(阿里巴巴)、テンセント(騰訊)をはじめとするインターネット企業や、シャオミ(小米科技)、ファーウェイ(華為技術)といったスマートフォンメーカーもAndroidアプリストアを運営しており、同国にはこうしたアプリストアが200以上あると言われている。

(参考・関連記事)「中国当局、今度はモバイルアプリを統制」

 そして、こうしたGoogle Play以外のAndroidアプリストアも含め、モバイルアプリ経済の世界規模(アプリ収益と広告収益を含む)を計算すると、その金額は約890億ドル(約10兆775億円)に上ると、アップアニーは報告している。 

筆者:小久保 重信