相手の大柄なCBと競り合うエースの鳴海。怯まず球際で戦った。写真:ナイキ

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 JFAとナイキのサポートを受けて、1月16日からイングランド遠征中の青森山田高校。高円宮杯U-18プレミアリーグと全国高校選手権の二冠を達成した日本ユース最強軍団が、現地時間18日午後2時、FA所有のトレーニングセンター、セント・ジョージズ・パークでプロ養成所『ナイキアカデミー』との試合に臨んだ。
 
 ユニホームは通常のグリーンではなく、JFAの『JFA Youth & Development Programme』特別モデルを着用した青森山田は、お馴染みの4-1-4-1システムを採用。廣末陸(3年/FC東京入団)とMF高橋壱晟(3年/ジェフ千葉入団)、MF郷家友太(2年)などが遠征不参加で、GKの坪歩夢(2年)と飯田正弘(1年)以外は3年生だけの中、キャプテンのMF住永翔をはじめ、インターハイと選手権でダブル得点王に輝いたFW鳴海彰人、左サイドの要であるDF三国スティビアエブス(3年)などの主力が先発に名を連ねた。
 
 日本のユース基準では大型選手が多い青森山田だが、この日は相手の方が体格では完全に上。それでも序盤から積極的にプレスを敢行して試合のペースを掴み、12分には鳴海がミドルでファーストシュートを放った。さらに30分にはコンビネーションから小堀雄大がフィニッシュし、34分と36分にも鳴海がゴールに迫るなど、前半はやや押し気味にゲームを進めた。
 
 後半も序盤こそ青森山田がやや主導権を握ったが、その後はナイキアカデミーが猛攻。55分、60分、68分、75分、83分と立て続けに決定機を作られた。それでもGKの坪と飯田(78分から出場)のビッグセーブと相手のミスに助けられる形で何とか耐え凌ぐ。
 
 86分には小山新のクロスを受けた鳴海が、ペナルティーエリアやや左よりの位置からボレーシュートを狙うがボールはバーの上。最後はペナルティーエリア手前の嫌な位置で直接FKのピンチを迎えたが、これも何とか防ぎ切って、そのままスコアレスドローで試合終了のホイッスルが鳴った。
 世界中からポテンシャルの高い選手を選抜し、手元で育て上げ(同アカデミーには元聖和学園のFW波田野海も在籍しているが、現在は日本帰国中でこの日は不在)、幾多のプロフットボーラーを生み出してきたナイキアカデミー監督のジョン・グッドマンは、青森山田の印象を次のように語った。
 
「素晴らしいチームだ。前半は前からプレスをかけようと思ったがかわされ、逆にこっちがプレスに晒された。自分のチームに腹が立ったよ(苦笑)。でも、彼らが素晴らしいチームだったということを認めないわけにはいかない。組織力が高く、コンビネーションが素晴らしかった。個々は決して大きくはないが、負けん気が強くインテシティーが高かった。ウチのフィジカルの強さが違いにならなかったからね。改善点? 最後のフィニッシュ精度だろう。ただ、それはウチのチームにも言えたことだった」
 
 また、不参加の黒田剛監督に代わって今遠征で指揮を執る上田大貴コーチは、次のようにコメントした。
 
「立ち上がりから怯まず、タフに戦えたのはとても良かったと思います。190センチ近い選手がゴロゴロいるかなで、どれだけ気持ちで負けないことが大事だと思っていて、実際に球際でしっかり戦えました。フィニッシュ精度の大事さが身に沁み、いつもと違う身体の当て方、いつもなら通るクロスが必ず跳ね返さる、そんな経験をできたのは選手たちにとってすごくプラスだったと思います」
 
 前述した通り2冠メンバー数人を欠くうえ、選手権終了後は1週間ほどのオフがあり、英国までの長旅、慣れない環境と心身のコンディションを保つのは容易ではなかったはず。それでも青森山田は持ち前のファイティングスピリッツを前面に押し出し、体格で勝る相手と互角の勝負を演じた。上田コーチもその点を称えている。
 
「アカデミーの選手は個人でドリブルやスピードで勝負してくるので、やっぱり怖いですよね。それでも1対1で何とか粘って、足だけでいかずに身体でいけたことがゼロで抑えられた要因だと思います。足が痙攣する選手がいるなかで、本当によく戦ってくれた。気持ちで負けない、ファイトするという青森山田らしい戦い方ができたと思います」
 
 翌19日はマンチェスター・シティのエティハド・スタジアムを見学し、20日には地元のクラブチームと試合を行なう予定。日本ユース最強軍団のパフォーマンスに再び注目したい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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