本作をつくる大変さを振り返ったストーン監督

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 世界を震撼(しんかん)させた「スノーデン事件」の全貌に迫る映画『スノーデン』のジャパンプレミアが18日に都内で行われ、本作でメガホンをとり、現在来日中のオリヴァー・ストーン監督が出席。衝撃的な内容の本作をつくったことで、「これが最後の映画になるかもしれない」と今置かれている状況を明かす一幕もあった。

 CIA(中央情報局)およびNSA(アメリカ国家安全保障局)職員だったエドワード・スノーデン氏が、キャリアや恋人との幸せな人生を捨て、重大な告発を決意するまでの過程を描いた本作。ストーン監督は「ほとんどの方が、こういうことが現実に起きていることを知らない。サイバー攻撃とかいろんなことが報道されてみんな気づき始めてはいるけど、報道されていることはクソみたいな物。政治的なプロパガンダを諜報機関が行っているだけ。容易に信じてはいけない。そういう思いでぜひ見てほしい」と本作をアピール。

 アメリカの裏側を暴くような内容とあって、製作は困難を極めたという。「アメリカの大手スタジオには全部断られました。おそらく恐怖心が働いていたのだと思います。ヨーロッパに対し映画の配給権を先に売るという形でなんとかつくることができた作品」と苦笑いで説明すると、「アメリカのメインストリームのメディアでは無視された映画。軽んじられました。しかしヨーロッパ、北欧ではすごく評価されました。でもヨーロッパの中でも英国はいつものようにアメリカと同じような反応。日本も今までの傾向からして、アメリカのメインストリームの反応をそのまま信じる傾向があるようにも思うので、皆さんにはほかのメディアの反応にも目を配っていただきたい」としみじみ。

 「僕自身今70歳。この映画を非常に誇らしく思っています。僕の映画に協力してくれる人はアメリカにはもういないのでこれが最後の映画になるかもしれません」と話し、「苦労してつくったことを知っていただきたい」と客席へ呼びかけた。

 舞台あいさつの終了間際には、リオ五輪女子レスリング金メダリストの登坂絵莉選手がゲストとして登場し、ストーン監督に花束をプレゼント。ストーン監督は「僕の孫くらいだな」と目を細め、登坂の金メダルに「おめでとうございますと申し上げたい。この先もグッドラック」とエールを送っていた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『スノーデン』は1月27日TOHOシネマズみゆき座ほか全国公開