教師のはじけっぷりも見もの (C)2015-9294-9759 QUEBEC INC. (une filiale de Lyla Films Inc.)

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 「翼をください」「天国の青い蝶」で知られるレア・プール監督がメガホンをとり、第18回カナダ・ケベック映画賞(2016)で作品賞を含む最多6部門に輝いた「天使にショパンの歌声を」(公開中)の新たな本編映像が、公開された。静ひつな雰囲気が漂う本作の数少ないコミカルなシーンである、“ダンス掃除”シーンを切り取っている。

 近代化が進む1960年代のカナダ・ケベック。音楽教育に力を入れる寄宿学校の校長オーギュスティーヌ(セリーヌ・ボニアー)は、財政難から閉校を言い渡され、一念発起。生徒や教師、ピアノの才能に秀でためいのアリス(ライサンダー・メナード)と力を合わせ、音楽の力で人々の心をつかみ、支援を募ろうとする。タイトルにもなっているフレデリック・ショパンほか、フランツ・リスト、ボルフガング・アマデウス・モーツァルト、ルートビヒ・バン・ベートーベンらによるクラシックの名曲が奏でられるほか、時代と戦った女性たちの生きざまがつづられている。

 オーギュスティーヌたちは、閉校の危機を救うべく、学校でコンサートを開いて支援者たちを招待しようとする。印象をよくするために大掃除を行おうと考えた教師たちは「この床を鏡のようにきれいに磨きましょう」と靴下をはいた生徒たちを向かい合って並ばせたのち、おもむろにレコードで音楽をかけ始め、リズムに合わせて踊りながら掃除をさせる。「心を込めてピカピカに! 学校の運命がかかってます」という深刻めいたセリフとダンスシーンのギャップが笑いを誘うとともに、逆境を前にしても自分たちのスタイルを貫く女性たちの芯の強さが印象を残す。

 プール監督は「このシーンは演出しているこちらも楽しかったです」と振り返りつつ「カトリックの女の子たちは、実際ウールの靴下をはいて本当に床掃除をしていたんですよ。音楽とかダンスはもちろん演出ですけどね」と豆知識を披露。「楽しかったんだけど、皆うるさくてなかなかまとまらず、5分ごとに『水が飲みたい』と言ったり。『シスター役の女優さんは60歳だけど水を飲んでないわよ!』と注意したりと、先生のように監督しなければなりませんでした」と和気あいあいとした現場を述懐している。