ジャン=マルク・バレ監督(写真右下) (C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation, Demolition Movie, LLC and TSG Entertainment Finance LLC. All Rights Reserved.

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 「ダラス・バイヤーズクラブ」「わたしに会うまでの1600キロ」のジャン=マルク・バレ監督が、「ナイトクローラー」「サウスポー」のジェイク・ギレンホールと組んだ「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」について語った。

 エリート銀行員として出世街道を進みながらも、数字と向き合うだけの日々のなかで無感情になったデイヴィス(ギレンホール)は、交通事故で妻と死別するが悲しみがわいてこない。感情を取り戻そうと決心したデイヴィスは、身の回りのものをすべて破壊してゼロからのスタートを図る。「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のナオミ・ワッツ、ベン・アフレック監督作「夜に生きる」(5月公開)のクリス・クーパーが脇を固める。脚本は、「きみがくれた物語」のブライアン・サイプが手がけた。

 本作の大きな見どころが、ドレッサーや照明器具、冷蔵庫などありとあらゆるものを次々に“ゼロに”していく破壊シーン。デイヴィスは自分の家だけでなくオフィスのトイレやパソコンも破壊、あるいは分解し、ついにはブルドーザーで自宅に突っ込むという“荒療治”まで行う。演技派のギレンホールがデイヴィスをエネルギッシュに演じているが、バレ監督は「ジェイク(・ギレンホール)の破壊行動は完璧だった。ジェイクはキッチンやリビングやバスルームで、4.5キロの大きなハンマーを最低250回は振り回したはずだよ。さらに自宅をブルドーザーでぶっ壊すシーンのために、操縦士と猛特訓をしたんだけれど、完璧に乗りこなしていた。壊しちゃいけないラインの30センチ手前でブルドーザーを止めたり、神がかっていた。彼は17歳のときに解体工事現場で働いていたから、何かを破壊することで、その先へ歩み出すという感覚がわかってたかもしれないね(笑)」とギレンホールの意外な特技に圧倒された様子。

 「破壊行動は“人生の再構築”へ向けて歩み始めるきっかけだ。この映画は、悲しみや喪失感について深く考えることを描いているように見せかけながら、人生を謳歌(おうか)すること、そしてただ生きることや人を愛することに時間を使うべきだということを思い出させてくれる」と語るバレ監督は、自身もかつて、デイヴィスと同様の状態に陥ったと明かす。「僕はデイヴィスとすごく似たような部分があって、ある時期に人を愛することを忘れかけていたんだ。お金を稼ぎ、創作に明け暮れていて、素晴らしい人生を楽しむことを忘れていた。だから今度は、何か新しい方法で観客の注意を常に引きつけ、彼らの脳や感覚を刺激しようと考えた。物事がどうつながっているのか本質を知るためには、1度すべて壊してみる必要があると思うし、僕はこの映画の主人公のように、幸せをつかもうともがいている人にひかれる。本作の脚本は、人生を再び歩み始めるための“勇気ある旅路”が美しかったんだ」。

 「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」は、2月18日から全国公開。