By Graham Brenna

スティーブ・ジョブズは革新的なアイデアをさまざまな製品として世に送り出し、Appleという会社を世界有数の企業へと発展させましたが、ティム・クックCEOに替わってから「Appleは退屈な運営の会社になった」と元従業員が話しています。

Tim Cook made Apple 'boring operations company' - former engineer

http://www.cnbc.com/2017/01/17/tim-cook-made-apple-boring-operations-company--former-engineer.html

スティーブ・ジョブズが存命だったころの2007年からAppleで働いていた経験を持つバロウ氏は、「当時のAppleという組織は西部の開拓時代のようでした。私はマネージャーとして雇用されましたが、最初の2年間はマネージャーとしての管理業務は行っておらず、複数の開発プロジェクトに携わっていました」とCNBCに語っています。当時のAppleの最優先事項は「組織」ではなく「プロジェクト」であり、役割や肩書きなどに関わらず、それぞれが可能な限り解決できるあらゆる問題に取り組んでいたそうです。バロウ氏は「まさに野生状態でしたが、自分のしたことの全てが最大限に製品に反映されるため、とてもやりがいを感じていたのも事実です」と話しています。



By tenz1225

現在はヒューレット・パッカードの子会社・Palmで働くバロウ氏は、「Palmのチームはとても組織的で、働く上で自分の属する部署以外に対する責任を負う必要はありません。それぞれが自分の持つ責任を明確に把握しており、わからないことを他部署の人に尋ねても『それは私の仕事ではありません』と言われるのが一般的でした」と話します。そしてバロウ氏はティム・クックCEO率いるAppleは大胆さがなくなり、Palmと同じような業務になっていると指摘しています。

2011年からAppleのトップに立ったクックCEOはAppleを経済的に成長させ続けており、2011年に1082億ドル(約12兆2300億円)だったAppleの年間売上高は2016年に2157億ドル(約24兆3800億円)と2倍に達しています。一方で、Apple Watchという新製品が出てからも、Appleの売上の大部分を占めているのは依然としてiPhoneという状況であり、Appleは自動運転カー、テレビ、ビデオ、インターネットなどの分野に多額の投資を行っていますが、イノベーションは起こっていません。

起業家のスティーブ・ブランク氏は、ティム・クック氏のリーダーシップについて、「ビル・ゲイツの後を継いでMicrosoftの売上を3倍にしたスティーブ・バルマーに通じる」と称賛しています。しかし、バルマー氏率いるMicrosoftは、Apple・Google・Facebook・Amazonのような企業にモバイル・検索・ソーシャルメディア・クラウドなどの分野で主導権を握られるなど、ソフトウェアの支配力を維持できなかったとも言われています。バロウ氏はクック氏率いるAppleについて「クックはAppleをダイナミックな変化を起こす『チェンジメーカー』から退屈な運営の会社に変えてしまった」とツイートしています。





また、IoT機器メーカー・Nestの創始者でAppleではトップ・エンジニアとして働いていたトニー・フェデル氏は、「当時のAppleには競争というものがなかった。みんなで一緒に最高の解決策を模索すると、スティーブは全部試すように指示していたんだ」と話しています。一方でBloombergのマーク・ガーマン氏は「近年のAppleのMac部門は2つ以上のアイデアを競争させるようになってきている。『デザイナーとエンジニアがひとつのコンセプトに同時に取り組むべき』という考えの元だ」と話しており、クック氏率いるAppleは賛否両論状態で、今後の手腕が期待されます。