スマートフォンで将棋ソフトを使用する不正行為を行ったという疑いで、2016年10月に行われた第29期竜王戦で渡辺明竜王の挑戦権を剥奪され、約2カ月にわたって公式戦出場停止処分を受けていた三浦弘行九段の復帰戦が、2017年2月13日(月)に開催される第30期竜王戦1組に決定しました。相手は羽生善治三冠。

なお、この問題で、三浦九段は不正を行っていないと第三者調査委員会が結論づけており、対局規定整備の遅れや三浦九段の出場停止処分を決めた常務会以前の対応に不備があったこともあり、日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞任を表明、記者会見を開きました。

日本将棋連盟の谷川浩司会長 辞任を正式に表明 | NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170118/k10010844011000.html

日本将棋連盟 谷川浩司会長 辞任記者会見 - 2017/01/18 15:00開始 - ニコニコ生放送

http://live2.nicovideo.jp/watch/lv288031641

会見開始時間ちょうどに姿を現した谷川会長は「主催者、協賛社、将棋ファン、三浦弘行九段に誠意を示すには私が辞任するのが一番という結論に至りました」と辞任を表明しました。谷川会長によると、問題が明らかになった2016年10月以降、対応に苦慮する中で心身に不調を来すようになり、責任ある立場を続けることは将棋連盟にも迷惑がかかると判断したための辞任だとのこと。なお、空白期間が生じないように、新会長決定までは会長職を務めるとのこと。

辞任表明については、本来は1月19日に理事会が開かれてその場で正式に受理されてから発表予定のものでしたが、一部報道が先行したため、1月18日に会見を開くことになったもの。

会見の中で、谷川会長は2016年10月の常務会での三浦九段に対する公式戦出場停止処分の判断については間違っていなかったものの、対局規定の整備の遅れや、棋士から三浦九段に対する指摘のあった2016年7月の対局での離席や一致率調査についてなど、10月以前の対応について不備があったことに大きな責任を感じ、三浦九段につらい思いをさせたことについても申し訳なく思う、と語りました。

会長職については、従来は辞任するのではなく任期を全うすることが責任を果たすことだと考えていたものの、2016年10月以降続く心身不調が年末年始を経ても回復せず、会長の重責を担い続けることが難しいという考えになって、将棋界の未来も見据えて判断したとのこと。

・質疑応答

Q:

棋士から理事総退陣を求める声が挙がりましたが、影響はありましたか?

谷川会長:

そういう話は直接聞いていないし、私自身は10日前には辞任を考えていたので、影響は受けていません。

Q:

他の理事の責任についての考えは?

谷川会長:

このような大きな問題になった以上、会長の私がそういう(責任を取る)立場なので、私が辞任することでみなさんに誠意を示すということです。

Q:

後任について、一部報道機関で名前が挙がっているが、意中の人は?

谷川会長:

明日の理事会で私の辞任を了承いただいたのちの話で、まずは理事選挙という形になると思うので、それは会員である棋士が決めることだと思います。とはいえ、将棋界の代表ではあるので、実績、知名度のある方がふさわしいのではないかと考えています。

Q:

年末時点では会長を続投する予定でしたが、辞任することになりました。考えが変わった理由や心身不調について、差し支えのない範囲で教えてください。

谷川会長:

12月27日に会見を行った後、いろいろと厳しいご意見も頂きました。辞任に至ったのは、体調不良が一番の理由です。年末年始、休養を取ることで少し体調が戻るかと思っていたのですが、かえって重圧を感じるようになりました。どういう状態なのかについては、プライベートのことでもあるので細かくは言えませんが、胃がきりきり痛んで食欲がないだとか、寝付けないだとか、真夜中に目が覚めたりということが10月中旬から続いています。また、会長という立場はいろいろな場所で挨拶をすることがあるが、そのときにきちんと話ができるか不安に感じるようになったというのも事実です。

Q:

この辞任は、将棋連盟として責任を取る意味で会長だから辞めるということなのか、それとも、谷川会長は三浦九段の処分を決めた場におられたと思うが、この問題についてご自身の考えや意見も責任に繋がっているということなのか。

谷川会長:

対応が早ければこのような大きな問題にはならなかったのではないかという思いもあり、その点について責任を感じています。また、大きな問題になった以上、会長としての出処進退、けじめをつけなければならないのではないかと考えました。

Q:

それは「会長」としての立場なのか、この問題についての考えや姿勢に自信がなくなったからなのか、どうなのですか。自身が辞めることで、連盟として責任を取ったと受け止めて欲しいということか。

谷川会長:

受け止められ方は様々だと思いますが、組織としてはこうするのが一番であると考えています。