約3年半ぶりの来日となったオリバー・ストーン監督

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 米アカデミー賞を3度受賞している巨匠オリバー・ストーン監督が1月18日、最新作「スノーデン」を引っさげて来日し、都内のホテルで会見した。約3年半ぶりの来日となったストーン監督だが、「ホテルに着くなり缶詰状態で、取材を受けまくっています。日本に来るたび、“カローシ(過労死)”状態です」とユーモアに富んだ語り口で報道陣を笑わせた。

 2013年にアメリカ政府による個人情報監視の事実を告発した元CIA職員エドワード・スノーデンの半生を、「プラトーン」「7月4日に生まれて」などで知られる社会派ストーン監督が映画化。国を愛していたスノーデンが、監視社会への危機感を募らせ反旗を翻す過程を描き出す。

 ストーン監督は今作を通じて、他国のインフラにマルウェアを仕掛けるなどの「サイバー戦争」が水面下で進行していることを強調した。製作の経緯を問われ「そもそもスノーデンの告発は素晴らしく、拍手喝采ものでしたが、当時は映画にしようとは思わなかった。私のスタンスとして、ニュースを追おうとは思わない。ニュースは刻々と変わるし、映画作りは大変な時間がかかるからです」としたうえで、「しかしスノーデンの弁護人から『(亡命中の)モスクワに会いに来てくれないか』と言われ、2年の間、9回にわたって話を聞きました。そうして『スノーデンの視点から語られる物語』を映画化しようという気になっていきました」と振り返った。

 未だ真偽の観点などで議論が絶えないスノーデン事件だが、ストーン監督は「スノーデンが語ってくれたすべてを映画化しています。私の主観は入っていません。彼が言っていることが嘘あるいは間違いなのであれば、私の経験則から言えば、彼は世界で最も素晴らしい役者ということになります。つまり、彼が言っていることはすべて真実だと、私は思っています」と自信に満ちた口調で述べる。そして、「日本のジャーナリストが、防衛省に『(映画で描かれているマルウェアなどは)本当か』と聞いてほしい。どう答えるかはわかりませんが。日本だけでなく、すべての政府に対し意見を求めるという動きを、私は望んでいます」「日本の皆さんにも見て頂き、この問題の巨大さ、複雑さを考えてもらいたい」と願いを込めた。

 「スノーデン」はジョセフ・ゴードン=レビットが主演し、シャイリーン・ウッドリーらが共演。1月27日に公開される。