海苔の生産が減り、節分の恵方巻きに影響する?

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焼き海苔(のり)の価格が上がっている。原料の海苔の収獲量が減っており、値上げしたメーカーもある。

これで気になるのは、節分の恵方巻きだ。市販される商品に価格がはね返らないだろうか。海苔メーカーや小売店に取材した。

「例年、節分前のこの時期に販売数が増えます」

全国の海苔の約半分は、九州北部の有明海で収獲される。佐賀県有明海漁業協同組合は2017年1月16日、J-CASTヘルスケアの取材に対し、「海苔の収獲量はここ数年減少傾向にあります。最大の理由は漁師の減少です」と答えた。統計で見ると、全国の漁協が取りまとめて販売した海苔の枚数は、14年は81億4782万枚だったが、15年は74億4029万枚と、約1割減少した。

焼き海苔メーカーの対応はどうか。ニコニコのり(本社・大阪市)の商品開発担当者は取材に対し、「出荷先によってケースバイケースなのでどれだけ上がったかは一概には言えませんが、16年4月から焼き海苔商品を値上げしました」と答えた。創業から90年の老舗、大森屋(本社・大阪市)も16年5月からの値上げを発表していた。食品専門紙の「日本食糧新聞」電子版16年6月8日付記事では、海苔の平均単価が13〜15年度の3年度連続で上がったと伝えている。

1月後半のこの時期、海苔を使う料理で気になるのは2月3日の節分に食べる恵方巻き。近年では家庭の習慣として、かなり根付いている印象だ。ニコニコのり担当者も「焼き海苔は例年、節分前のこの時期に販売数が増えます」という。

1本につき、タテ21×ヨコ19センチの全型焼き海苔を丸1枚使う恵方巻き。海苔が高くなれば、商品として販売されている恵方巻きの価格も上がるのではないか――。そこで、コンビニ大手3社の最もスタンダードな恵方巻きの価格状況を調べた。

いっそ海苔を使わない恵方巻きはアリか

セブンイレブンは15年、16年に続いて17年も同じ420円(税込、以下同)、ローソンも3年とも390円で変わらなかった。

ファミリーマートだけは16年の390円から17年は420円へと値上げしているが、その理由を同社に取材すると、広報担当者は「恵方巻きの重量に占める具材の比率を増やしたためです。昨年比で3〜4割上げ、ボリュームアップしています」と答えた。一方、値上げは海苔の価格上昇と関係あるかと質問したが、「そういった話は聞いていません」という。

さほど心配する必要はなさそうだが、自宅で恵方巻きを作る家庭は、海苔の値上げがちょっと気になるかもしれない。いっそのこと、海苔を使わない恵方巻きにするのはアリなのか。

そもそも恵方巻きのルーツは諸説ある。和文化研究家で順天堂大学非常勤講師の三浦康子さんは情報サイト「オールアバウト」17年1月5日付の記事で、発祥の「有力情報」として、大正初期の大阪の花街で、節分に海苔巻きを恵方に向かって食べ、縁起を担いだというものを紹介し、その後、1977年の節分の日に大阪で行われた「巻き寿司早食い競争」がマスコミに取り上げられ、全国に知れ渡った、と書いている。その上で

「恵方巻きの起源や発祥については諸説あり、後付けと思われるものも少なくないため、定かではありません」

と付け加えている。海苔を絶対に使わなければならない、というルールはなさそうだ。

レシピ投稿サイト「クックパッド」では、寿司であっても「海苔を使わない恵方巻き」が続々と提案されており、海苔の代わりに黒ゴマをまぶしたり、薄焼き玉子や、熱湯にくぐらせて柔らかくしたレタスで巻いたりしたレシピが複数見つかった。楽しくおいしく食べられるなら、「海苔なし」も一つの手かもしれない。