16日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、「いこうぜ2020」と題し、スポーツキャスター・松岡修造氏が東京五輪を目指す期待のアスリートを紹介。この日は柔道・舟久保遥香(18)を取り上げた。

2015年の世界ジュニア柔道57キロ級で金メダルを獲得している舟久保は、寝技を得意とし、オリジナル技「舟久保固め」を持つ。松岡氏から「世界にその技はなかった?」と訊かれると、「誰かに知られていたかもしれないけど、あんまり見たことない」とほほ笑んだ。

だが、それまでの舟久保について、富士学苑柔道部・矢嵜雄大監督は「体も今より細くてマッチ棒みたいな体型。全く才能を感じませんでした」とキッパリ。本人も「本当に不器用。教えてもらうんですけど全くできない」などと苦笑い。才能も力もなかったという。

それでも「オリンピックに出たいと思っていた」という舟久保。その理由を「よくわからないんですけど、絶対できると思ってました」と芯の強さを感じさせると、転機は中学2年生の時にやってきた。右膝を痛め、練習できなかった際に「“懸垂やっとけ”って言われた」という彼女は、約3時間の練習の間、愚直に懸垂だけをやり続けたという。

1ヵ月にも及ぶ懸垂の日々を「とにかく与えられたことは全力でやりたいタイプ。全力でやって絶対自分は強くなるって、それだけを信じてやってきた」と振り返った舟久保。これが柔道で相手を引きつける力となり、寝技に引き込みやすくなった。その後、中学3年生の時に全国大会で優勝するなど、すぐさま結果を出した舟久保は、「自分の柔道スタイルを作ってくれたもの」と懸垂に感謝した。