座ってしてね

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「トイレには神様がおるんやで〜」と、懐メロを歌いながら掃除するけど、家族やパートナーからも汚れない配慮がほしいものです。

特に男性は、立って排尿すると、床や壁を汚しやすいので、ぜひ座っていただきたい。ライオン(※1)によると、男性は1日に2300滴も尿ハネさせているとか。残った尿汚れは、雑菌の繁殖やニオイの原因になります。

一方、男性からしてみれば、立った方が早いし、小さいころからの慣れもあるはず。衝動的に日ごろの不満をぶつけても、相手を意固地にするだけです。うまく立ちションを卒業してもらうための依頼方法を考えました。

さりげなく理解してもらう

◆データを使う

まずはストレートにお願いしてみて、反論されたらデータを持ち出しましょう。「最近は座って用をたす男性が増えてきてるみたいよ」と、ふんわり言っても効果なし。数字をしっかり活用するのがコツです。

20〜60代の男性500人を対象にした先のライオン調べでは、59.9%が自宅のトイレで座ると答えました。ちなみに、既婚男性の5人に1人は「奥さんに座るよう促されたため」座っていると回答しています。

同じく2015年にパナソニックが調べた結果(※2)、51%が座って小便をしていることがわかりました。2004年にも同様の調査をしていますが、座ると回答した人は30%でした。10年間で立ちションを卒業した人が大勢いるのです。

◆マークで誘導

時代のニーズなのでしょう。巷では、いろんな種類の「立ちション禁止」ステッカーが販売されています。トイレという狭いプライベート空間で、簡潔なマークを見たら、案外、素直に従っちゃうかもしれません。ステッカーの良いところは、家族だけでなく、来客にもスマートに伝えられるところ。「トイレを貸して」と言われて、「座ってするならいいけど」なんて言えないですものね。

ステッカーは、ネットやホームセンターなどで購入できます。フリー素材をプリントアウトして貼るのもいいでしょう。

◆公共トイレの、あの表現

「いつもきれいにご利用いただきありがとうございます」の張り紙、公共のトイレにありますよね。見た人の気分を害すことなく、清潔に使おうという気持ちを促す素晴らしい言い回しです。家でもこの方法を活用しませんか。

ただし、このまま使っても座ろうという気にはなりません。もっと具体的に「座ってくれてありがとう。掃除が楽になります!」としてはどうでしょうか。

どうしても嫌だと言われたら

◆的を用意

ライオンとNHK「ためしてガッテン」の共同実験によると、洋式トイレの場合、便器の中の狙う位置によって尿ハネの数が異なることがわかりました。奥を狙うと7550滴だったのが、手前を狙うと277滴にまで抑えられます。

射撃のように的を狙うことにすれば、男性も楽しいはず。汚れとストレスが減りますよ。便器の中に貼るための的ステッカーが数種販売されているので、好きなデザインを選ぶと良いでしょう。

◆掃除の担当を変わる

そもそも、たくさん汚す人がトイレ掃除の担当になればいいのです。自然に、汚さなくなるかも......。

ただし、期待のしすぎにはご用心。清潔の感じ方には個人差があります。掃除の回数や仕上がりに満足できなくて、さらにストレスが溜まるのでは本末転倒です。

もし男性に掃除を任せるのなら、ある程度妥協する覚悟を決めてからにしましょう。

◆チップ制にする

最近は日本でも有料のトイレが増えているとかいないとか。

思い切って、家庭内トイレを有料にして、立ちション1回いくらと料金を決めてチップをもらってはどうでしょうか。汚されても平気になるかもしれません。

本記事は、2015年に実施された(※1)ライオンの「トイレの尿ハネ実態と男性の小用スタイルの関係」調査および、(※2)パナソニックの「トイレスタイルの実態調査」を参考にしました。