国連安保理で採択された対北朝鮮制裁により、北朝鮮が外貨不足に陥っていることが伝えられている。外貨稼ぎのドル箱だった石炭は、輸出量に上限を設けられてしまった。

そこで、北朝鮮当局が目をつけたのは、石炭以外の地下資源だ。中でも、2000トンと世界9位の埋蔵量(韓国鉱物資源公社の2009年の調査による)を誇る金(ゴールド)に対して、金正恩党委員長が熱い期待をかけていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

北朝鮮当局は、平安南道(ピョンアンナムド)成川(ソンチョン)郡にある大鳳(テボン)鉱山に対して、集中的に投資を行っている。この鉱山では、亜鉛を中心に、高品位の重石、石英、タングステンを採掘しているが、金の採掘も行っている。

大鳳鉱山は1990年代中盤、月に40キロの金を採掘していた。両江道(リャンガンド)の情報筋は、この鉱山は金正日政権が大飢饉「苦難の行軍」を抜け出すにあたって、大きな役割を果たしたと指摘する。

そうした期待の表れで、中央政府は昨年11月、掘削機10台と、自動積載トラック20台を鉱山に送った。いずれも中古車で、カーキ色に塗装されたものだが、使用するには問題ない。

さらに金正恩氏は、労働者らにより多くの食料を、鉱山に電気、機械、車両を優先的に配分するよう指示を出している。

同じ時期に、金正恩氏は、両江道の三池淵(サムジヨン)郡を訪問し、農場にトラクターを送ったが、この時に掘削機と自動積載トラックも一緒に運んだと見られると情報筋は述べた。

大鳳鉱山は、金正恩氏の秘密資金を管理する労働党39号室の傘下にある大成(テソン)総局所属だ。北朝鮮の金鉱の運営に関して、大成総局は絶対的な権限を持っており、他の外貨稼ぎ機関が金を掘るには、ここの承認を受け、生産された金の一部を上納してようやく認められるという。

両江道の別の情報筋によると、大鳳鉱山の月の生産ノルマは25キロ、年間で300キロで、輸送手段と電気さえ確保できれば、無理なく達成できる数値だ。

しかし、北朝鮮には採掘技術がないため、外国に頼らざるをえない。ロシア国営通信社のスプートニクは2015年9月、ロシアの鉱業企業が北朝鮮で金鉱開発に乗り出すと伝えたが、その後、音沙汰がない状態だ。