今夜スタート。注目のドラマ「カルテット」を楽しむ7つのポイント

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いよいよ本日夜10時からスタートするTBSの新ドラマ『カルテット』。昨年後半、大フィーバーを巻き起こした新垣結衣&星野源『逃げるは恥だが役に立つ』の後番組であり、必然的に注目度は高まっている。
そこで『カルテット』を見る前に押さえておきたい7つのポイントを整理してみた。ちなみに筆者は第1話を試写で見ております。そしてこの記事はネタバレなしです。


ネタバレあり1話レビューはこちら

豪華俳優陣の共演に注目


このドラマの最大のセールスポイントといえば、4人の豪華俳優陣のコラボレーション。ただ名前が売れている人たちを集めただけではなく、「この人の演技を見てみたい」と視聴者に思わせるような俳優、女優たちを集めているところがポイントだ。
控えめで無口な第1ヴァイオリン奏者・巻真紀(まき・まき)役の松たか子は、5年ぶりの連続ドラマ出演。ここ数年は西川美和、山田洋次、松尾スズキらの映画や野田秀樹、長塚圭史らの舞台で主演を務めてきた。すさまじい顔ぶれだ。
自由奔放なチェリスト・世吹(せぶき)すずめ役の満島ひかりは、言わずと知れた実力派。最近では『トットてれび』での“憑依”とも言われた黒柳徹子役が記憶に新しい。本作の脚本を務める坂元裕二作品の常連女優でもある。
リーダー的な存在の第2ヴァイオリン奏者・別府司役の松田龍平は、テレビドラマにも出演しているが、スクリーンでの活躍の印象が強い。今年も主演する黒沢清監督作品が公開待機中。ドラマでも『まほろ駅前番外地』の行天、『あまちゃん』のミズタクなどハマり役が多い。
そして今、熱い注目を集めているのが、ヴィオラ奏者・家森諭高(ゆたか)役の高橋一生だ。子役時代から膨大な数の映画・ドラマ・舞台に出演してきたが、注目を集めたのがドラマ『民王』の秘書・貝原役。昨年の映画『シン・ゴジラ』の安田役も出番は少ないながら鮮烈な印象を残した。今年は大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも準主役で出演。いまや“イセクラ(一生クラスタの略)”という言葉もあるぐらいで、年末の日経ヒット商品番付に登場しそうなブレイクぶりだ。
いずれ劣らぬ芸達者であり、存在感もある4人がどのような芝居を見せるのか。これが『カルテット』最大の見どころと言っていいだろう。

坂元裕二の脚本に注目


なぜ、この4人を集めることができたのかといえば、それは「坂元裕二の脚本だったから」なのかもしれない。24歳の若さで『東京ラブストーリー』(91年)を書いたヒットメーカーでありながら、近年は『Mother』(10年)、『それでも、生きてゆく』(11年)、『最高の離婚』(13年)、『Woman』(13年)などの意欲作を連発してきた。近作は『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(16年)。
『Mother』や『Woman』などの印象から、社会問題を取り扱った重くて暗いドラマを連想する人もいるかもしれないが、『カルテット』の場合はさにあらず。メインキャスト4人の軽妙なやりとりが絶え間なく続き、見ていてクスッと笑ってしまうシーンも多い。『最高の離婚』で繰り広げられたテンポの良い会話劇を想像してもらえばいいだろう。
満島ひかりは「坂元さんってこういうドラマを書くんだ!」と思ったというが、その言葉がどのような意味なのか、注目していきたい。

弦楽器の演奏シーンに注目


本作は、偶然出会った4人の弦楽奏者がカルテット(弦楽四重奏)を組み、軽井沢の別荘で同居生活を送るという物語だ。
当然ながら、4人の演奏シーンも大変多い。松田龍平によると、「曲数も“ウソでしょ?”と思うぐらいたくさんあります」とのこと。そして、各人が猛烈な勢いで演奏の腕前が上達しているという。満島ひかりは毎日自宅でチェロに話しかけているのだとか(そうした方がいいと先生に言われたらしい)。それぞれの演奏スタイルも個性的で、腕まくりでヴィオラを弾く高橋一生の姿もなかなか決まっている。
記念すべき彼らカルテットの1曲目の曲目にも注目してみよう。

唐揚げとレモンに注目


第1話を見ていると唐揚げを食べたくなる可能性があるので、鑑賞のおともに唐揚げを用意しておこう。夜10時過ぎに揚げ物を食べるのは健康によろしくないかもしれないが、今夜ばかりは致し方あるまい。唐揚げにはレモンも一緒に用意しておくといいだろう。

物語の背景に注目


主人公の4人の年齢は30代半ば。好きなことをして生きていきたいと夢見るには、そろそろ厳しい年頃だ。真紀は家庭に入り、司は会社勤めをしているが、すずめは無職で、諭高は●●である。オフィシャルサイトには、はっきりと「4人は、夢が叶わなかった人たちである」と書いてある。
現在30代半ばの人たちといえば、就職氷河期に悪戦苦闘した70年代生まれの「ロストジェネレーション(ロスジェネ)」でもなく、自分自身に忠実な80年代後半生まれの「ゆとり世代」でもない。『1982 名前のない世代』(宝島社)の著者・佐藤喬氏は、自らもあてはまる現在30代半ばの「名前のない世代」について、次のように語っている。
「僕らの世代に共通する何かをあえて言葉にすると、『閉塞(へいそく)感』という月並みな言葉、ただの記号になってしまう。みんなが感じているのは『何となくもやもやした気持ち』でしかないからです。言葉にならないものに名前をつけることはできない」(産経ニュース 2016年5月24日)
主人公の4人はたしかに「なんとなくもやもやした気持ち」を抱えている風に見える。このように時代背景を含めてドラマを見てみると、物語に奥行きが出てくるはずだ。

椎名林檎による主題歌に注目


椎名林檎作詞・作曲によるエンディングテーマ「おとなの掟」を歌うのは、なんと主演の4人! 『逃げ恥』の“恋ダンス”はSNSを中心に爆発的な話題を呼んだが、今からエンディングで出演者のダンスを見せられても何だか興ざめ。でも、こんな仕掛け方があったとは思わなかった……。本放送で初めて発表となるエンディングテーマは(歌詞も含めて)注目度大だ。

登場人物たちの“謎”に注目


『カルテット』のキャッチコピーは「大人のラブストーリー×ヒューマンサスペンス」。前者はわかるとして(見知らぬ男女が同居生活を送るなんて、まるで『テラスハウス』だ)、後者はドラマを見ているうちに何となく忘れてしまう。それだけ、脚本と演出と演技が巧みなのだろう。
しかし、4人はそれぞれ謎を抱えていた。そして、第1話の最後には「えーっ!」と驚くような展開が待っている。なんだか良い感じで話が終わりそうだったところへ「えーっ!」だ。これ以上はもう言えない。『カルテット』第1話は今夜10時から。お楽しみに。
(大山くまお)