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●"音にこだわる"23.8インチ液晶一体型PC
音楽を再生する電化製品といえば「ステレオ(コンポ)」というのは、いささか古色蒼然とした発想だ。現在では携帯型オーディオプレイヤーはもとより、PCやスマートフォンでオンラインサービス、しかもYouTubeやニコニコ動画といった映像ベースのものを再生して楽しむユーザーが増えている。そしてPCユーザーの多くは内蔵スピーカーで聴くか、3.5mmプラグにイヤホンを挿して、もしくはワイヤレスで聴くかというリスニングスタイルが一般的となっている。

当然、多くのPCメーカーはそこに気付いているが、なかでも素早い動きを見せたのがNECパーソナルコンピュータだ。

音響技術に強みを持つヤマハとPC内蔵スピーカーをめぐる協業を開始、2009年10月にはサブウーファー付き2.1chスピーカーを搭載した「VALUESTAR W」を発売した。以降、製品ラインナップに「sound by YAMAHA」ロゴを付したモデルが並ぶことはご存知だろう。

○"音にこだわる"最新の一体型「LAVIE」

2017年春の新モデル「LAVIE Desk All-in-one」も、そんな"音にこだわる"ディスプレイ一体型PCだ。

23.8型IPS液晶を搭載、CPUは第7世代Coreプロセッサ/高速DDR4メモリを採用するなど充実のスペックに加え、「sound by YAMAHA」ロゴが与えられた新開発の小型スピーカーがおごられる。BDドライブやテレビボードの映像コンテンツをいい音で楽しめる、コンパクトなAVシステムなのだ。

ラインナップは、上位から下位まで全5機種。そのなかで、4K(UHD)ディスプレイを搭載した最上位モデル「DA970/GAB」は、スピーカー内蔵一体型PCとして世界で初めて、日本オーディオ協会の「Hi-Res AUDIO」ロゴが付与された製品だ。

今回は、この「LAVIE Desk All-in-one DA970/GAB」(以下、DA970/GAB)について、音響面についてのファースト・インプレッションを紹介していこう。

■試用機の主な仕様   [製品名] LAVIE Desk All-in-one DA970/GAB   [CPU] Intel Core i7-7500U(2.70GHz)   [メモリ] 8GB(4GB×2)   [グラフィックス] Intel HD Graphics 620(CPU内蔵)   [ストレージ] 4TB SATA HDD   [光学ドライブ] BDXL対応ブルーレイディスクドライブ   [ディスプレイ] 23.8型ワイド(3,840×2,160ドット)   [OS] Windows 10 Home 64bit   [サイズ/重量] W546×D200×H416mm(最小傾斜時、カメラ収納時)/約8.7kg   [店頭予想価格] 254,800円前後  

●ヤマハと新開発した小型スピーカー
まずは今回試用した4K(UHD)ディスプレイ搭載の23.8型液晶一体型PC「DA970/GAB」の概要を改めて紹介しよう。

CPUはCore i7-7500U(Kaby Lake)、ストレージは大容量4TB HDDを搭載する。光学ドライブはBDXL対応ブルーレイ、加えてデジタル3波(地上/BS/110度CS)チューナー4基を備え映像再生環境も充実している。

ディスプレイは狭額縁で、台座部分はどっしりした感のあったスクエア型から、シンプルな丸型へ変更。従来はベゼル下部前向きについていたスピーカーの位置も、新しい小型スピーカーの採用により下向きに変更されるなど、見た目の印象もスリム化された。

○ヤマハと新開発した小型スピーカー

特長であるスピーカーはフルレンジ+ツイーターの2ウェイ構成、PC内蔵スピーカーとしては世界で初めて日本オーディオ協会の「Hi-Res AUDIO」ロゴを掲げている。

スピーカーユニットには、ヤマハのノウハウを生かした「バックサイドFR-Port」を採用。ポート寸法の最適化で筐体を小型化、過去モデルで採用した2ウェイスピーカーと比較して体積は46%減ながら低域特性が改良されているという。

素材も見直され、従来は汎用プラスチックのところが硬質なエンジニアリングプラスチックを混合した高分子多成分ポリマーに変更されている。しかし、PCに搭載されたユニットの開口部は下向きで音が机に反射する形になるため、ハイレゾロゴの要件をクリアするには相当な試行錯誤があったに違いない。正面から見るとわかりにくいが、LAVIEの"深化"を実感させる部分といえるだろう。

●実際に試聴、音の実力は?
DA970/GABには、「sound by YAMAHA」スピーカーに加え、同じくヤマハ製のソフトウェアもプリインストールされている。ヤマハのDSP技術を生かした音響補正ソフトウェア「AudioEngine」は前モデルとほぼ同じだが、ハイレゾ再生ソフト「HiGrand Music Player V2」が追加されたことがポイントだ。

このソフトは、FLACやWAVなど各種PCMフォーマットに加え、DSDネイティブ再生をサポートする。DA970に内蔵のオーディオデバイス(Realtek HD Audio、最大192kHz/24bit)はDSDネイティブ再生に対応しないため、DSDネイティブ再生に対応したUSB DACを用意しなければならないが、簡潔でわかりやすいUIにより気軽にDSDの音を楽しめる。

○その音は「小なれど優なり」

肝心の音だが、「小なれど優なり」といったところか。

新しいスピーカーユニットは小型化されたにもかかわらず、しっかりとした輪郭を持つ低域を描き出す。さすがに大口径ウーファーをおごるスピーカーとは比較できないが、これだけの薄さ/容積でこれほどの存在感を出すせることは驚きだ。中高域もクリアに気持ちよく伸び、透明感がある。小さいながらもダイナミックレンジが広く、かなり音量を上げても平坦にならないことも特長といえる。

ポータブルUSB DAC「TEAC HA-P5」を使いDSDネイティブ再生(DoP)を試したところ、あっさりと再生。HiGrand Music Player V2が「WASAPI排他モード」(Windowsのオーディオエンジンをバイパスする動作モード)により、DSDならではの音場感とスムースネスを堪能した。

映像と音が充実した今度のLAVIE Desk All-in-oneは、「プレミアムなパーソナルモデル」だ。書斎の机に置くとき23.8インチという画面サイズは、1人で映画を見るにはちょうどよく、薄く小さいながらも迫力ある音を出すスピーカーも装備。周波数特性を満たしただけのハイレゾ対応でなく、7年以上にわたり培われた高音質PC内蔵スピーカーづくりのノウハウが生かされていることもポイントだ。ハイレゾも4Kも楽しみたい、という欲張りな大人にこそお勧めしたいPCといえる。

(海上忍)