披露宴の出席者がInstagramに投稿した動画より Instagram/@tatevikkar

マルーン5のヒット曲「Sugar」のMVは、一般人の結婚式にサプライズで登場して場内を沸かせるというものだった。では、実際に有名シンガーを結婚式に呼ぶことはできるのだろうか。結論から言えば可能だ。しかし、当然タダではない。

ロシアで最も裕福な大富豪の1人、ヴァレリー・コーガンの19歳になる孫娘アイリーンがロンドンの五つ星ホテル「ザ・ランドマーク・ロンドン」で結婚式を挙げることになった。アイリーンはおじいちゃんにこんなおねだりをした。「結婚式でマライア・キャリーとエルトン・ジョンに歌ってもらいたいわ」。他ならぬかわいい孫のお願いである。ヴァレリーはすぐに双方のエージェントに連絡を取った。

そして結婚式当日、披露宴会場にはライヴ会場さながらの音響設備が整えられた。DJブースに立ったのは、数々の受賞歴を誇る音楽プロデューサー、マーク・ロンソンだ。まずエルトン・ジョンが登場し、「Tiny Dancer」を含む12曲を披露。そして、NYの年越しライヴで大失態を演じた後、初めてステージを踏むマライア・キャリーがリップシンクを使わず「We Belong Together」などを歌った。途中で衣装替えも挟む本格的なライヴ仕様で、花嫁をステージに呼び寄せて一緒に躍るワンシーンも見られた。

今回の披露宴で、ジョンとキャリーには総額250万ポンド(約3億4300万円)が支払われたという。この金額にはキャリーの米国からの渡航・滞在費用が含まれている。2人が受け取ったそれぞれの額は定かではないが、ジョンはこれまで100万ポンド(約1億3700万円)以下のギャランティで出演したことはないと言われており、それを下回ることはないだろう。

他にも、英国在住の俳優アントニオ・バンデラスもゲストとしてスピーチを行ったり、ロシア国内では超のつく有名人だという歌手が歌ったりと盛りだくさんだったこの披露宴。お開きになったときにはなんと開始後9時間が経過していたという。

ちなみにヴァレリー・コーガン氏は、モスクワのドモジェドヴォ空港への投資で財を成した人物で、総資産は20億ポンド(約2748億円)にも上ると言われている。