女性が生き方や考え方をアップデートし、つよくしなやかな自分を目指すのに役立つ本を月に1冊紹介します。

いつも「イエス」と言っている?

「あなたは何に対しても絶対イエスとは言わない」。そんな言葉を投げかけられると、皆さんはどう感じるでしょうか?
私なら心がざわつきます。「ノー」ばかり言っているつもりはなくても、はたして自分はどれくらい「イエス」と言っているだろうか、と振り返ってしまうから。
この言葉で「人生が変わった」と話すのは、大人気海外ドラマ『グレイズ・アナトミー』や『スキャンダル 託された秘密』を手がけた脚本家でテレビプロデューサーのションダ・ライムズさん。
著書は、姉から「あなたは何に対しても絶対イエスとは言わない」と告げられたエピソードで幕を開けます。

1年間「イエス」と言い続けて気づいたこと

この言葉の破壊力たるや凄まじく、ションダさんは大きなダメージを受けるのでした。そのなかで結論として下したのが「1年間、あらゆることにイエスと言う」ことだったのです。

「自分が安心できる領域からはみ出すことすべてに、イエス。
恐ろしいと感じることすべてに、イエス。
自分らしくないと感じることすべてに、イエス。
間抜けに思えることすべてに、イエス。
あらゆることにイエス。
あらゆることに。イエスと言う。
イエス!」(41〜42頁より)

ここにあるように、本来なら「ノー」と即答してしまうものすべてに、最初のうちは嫌々ながら、歯を食いしばりながら「イエス」と言い続けたションダさん。

「私は私。どんなことがあってもそう肯定し、揺るがぬ自尊心を手に入れることができる。それが『イエス』という言葉だ」(7頁より)

そう話すションダさんは「イエス」と言い続けた1年の中で、いくつもの大切なことに気づきます。

褒められたら「ありがとう」と言って微笑み、黙る

誰かから褒められても「そんなことないです」と否定したり、過度に謙遜したり、恥ずかしそうにしたり……褒め言葉をそのまま受けとる人は少ないような気がします。

ションダさんも同様でした。しかし「イエスだけを言う生活」をスタートし、それが板についてからは、褒め言葉に感謝するようになった、といいます。

「彼らは褒めたいから褒める。心からそう思っているからこそ褒め言葉をくれる。つまり、誰かの褒め言葉を否定するということは、その人が間違えていると言っているのと同じこと。時間を無駄にしていると、言っているようなものなのだ」(144頁より)

否定=ノー、でしかありません。ありがとう=イエスです。大切なのは、褒め言葉という善意を、ありがたく受け止めること。「きれいですね」と言われたら、「ありがとうございます」とお礼を言うだけでいいのです。

幸せの形は一人ひとり違っている

他人の幸せそうな姿を見て「いいなぁ」と羨んだり、嫉妬したり、「私はあんなふうになれない」と自分を卑下したり……自分を責める言動を選んでいませんか。

世界でもっとも心強い自分の味方は自分。それなのに、自分の味方をすることなく、むしろ痛めつけていては不幸になるだけです。

「私のハッピーエンドは、あなたのハッピーエンドとは違う(中略)誰もが自分だけのハッピーエンドを持っている。この気づきは私を解放した」(233頁より)

そもそも、誰かの真似をして生きても、必ずしも幸せになれるわけではありません。「こうすれば、幸せになる」という決まりも法律もないからです。

だから、自分の信念や欲求、つまりは心の声に素直に従って生きることがベストだとションダさんはいいます。既存のルールや観念に縛られないで、と私たちの背中を押してくれます。

自身の輝かしくも泥臭いエピソードを、後進のためにふんだんにかつ正直につづり、そこから導き出された愛のある教訓たち。勇気を持って生きたい女性に読んでほしい一冊です。