丸亀製麺の店舗(「Wikipedia」より)

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 讃岐うどん専門店として、全国展開している「丸亀製麺」(トリドールホールディングス)。讃岐釜揚げうどんを安価かつ手早く提供し、都市部の店舗ではランチタイムともなれば、近隣のオフィスからの客で行列ができるなど、人気のうどんチェーンであることはご存じの方も多いだろう。

 また、最近では丸亀製麵のアプリをスマートフォンにダウンロードするとクーポンを利用できるようになり、ファンの間で話題になった。クーポンによっては、かしわ天(130円/税込、以下同)などが無料、釜揚げうどん(290円)が半額以下の140円で食べられるなど、ビジネスパーソンのお財布にうれしいサービスを提供していることも人気の秘密なのだろう。

 そんな丸亀製麵が昨年の6月から、うどん(釜揚げ、かけ、ぶっかけ、ざるの4種から選択、いずれも並サイズ)に天ぷらや惣菜などの計3品に加え、「30分間、ビールなどが飲み放題」で1000円というロープライスの“ちょい飲み”サービスを開始し、話題となっている。

 うどんはいずれも290円、天ぷらが120円前後。通常の丸亀製麺の店舗では、ビールなどのアルコールメニューは提供していないが、格安居酒屋ではビール1杯290円ほどなので、2杯以上飲めば元が取れる計算だ。小遣いが少ないと嘆く家庭持ちの男性でも「1000円ならば行ってみようか」と思わずにいられないコストパフォーマンスだろう。

 現在、この飲み放題サービスを行っているのは「新宿文化クイントビル店」「六本木ティーキューブ店」、そしてJR大崎駅に近い「ThinkPark店」という都内の3店舗だが、いずれも会社帰りのビジネスパーソンに好評のようだ。

 そこで今回、新宿文化クイントビル店で、実際に飲み放題を堪能してみた。

●“延長”する会社帰りのグループも

 筆者が訪れたのは、昨年の年の瀬の平日だ。夕方ではあったが、すでに酔客も多くいたJR新宿駅南口を抜け、甲州街道を都庁方面へ向かうと見えてくるのが、新宿文化クイントビルだ。ファイザー日本法人などが入ったオフィスビルで、この1階テナント部分に「丸亀製麺 新宿文化クイントビル店」は入っている。

 店舗の入り口に掲示された大きな看板を見ると、飲み放題のサービスは3種から選択可能のようだ。

 Aセットは、鶏肉を卵でとじた「親子とじ」に天ぷらや惣菜などの3品と飲み放題で1000円。Bセットは、釜揚げうどんなどと天ぷらや惣菜などの3品と飲み放題で1000円。Cセットは、とんかつを卵で閉じた「かつとじ」に天ぷらや惣菜などの3品と飲み放題で1200円となっている。

 筆者はBセットを注文し、温かいぶっかけうどんの並(通常価格290円)と、きす天(同100円)、れんこん天(同100円)、げそ天(同130円)を選んだ。この時点で普通に会計すれば総計620円だ。つまり、残りの380円で30分飲み放題サービスが受けられる計算だ。また、クーポンも併用可能なので、もっと食べたい人は天ぷらの無料クーポンなどと組み合わせれば、さらにコスパは向上する。

 今回は惣菜を選択しなかったが、大根の煮物(通常価格120円)やインゲンのゴマ和え(同150円)、甘酢トマト(同150円)といったヘルシーメニューも揃っており、天ぷらのカロリーなどが気になる人は、こちらを選ぶことも可能だ。

 うどんを受け取り、天ぷらを選び、レジまで進むと、冷凍庫でキンキンに冷やされたジョッキグラスと飲み放題客専用のプレートを渡される。このプレートの裏にはタイマーが付いており、30分間の計測をするシステムだ。

 アルコール類は、アサヒスーパードライ、樽ハイ倶楽部(レモンハイ)、ヒゲのハイボールの3種で、ビールが苦手という人も楽しめる。

 ちなみに、アルコールはすべてセルフとなっており、自分で注ぎにいかなければならない。また、グラスは一般的な居酒屋で使われている小ジョッキのサイズなので、量を飲みたい人は何度もサーバーまで足を運ぶ必要がある。ビールサーバーは、グラスをセットすると自動で注いでくれるタイプだ。ハイボールなどを飲みたい場合は、店員に申し出れば氷入りの中ジョッキに変更してくれる。

 店内を見回すと筆者のほかにも、会社員らしき4人組、女性2人連れが飲み放題を利用していた。準備が整い席に着くと、店員がタイマーのスイッチを押して30分間の飲み放題がスタートした。

 残念なことに、天ぷらは揚げたてではなかったが、ビールと共に胃に流し込むと気分も良くなってくる。ジョッキが小さいこともあって、10分ほどで立て続けに3杯ビールを飲み干した。次にハイボールへと移行したが、その頃には足元がおぼつかなくなってきた。

 おかわりをしようとしたタイミングで、サーバーのガスが切れたため交換を待つことになったが、店員がタイマーを5分延長してくれた。細かい配慮に感激しつつ、さらにハイボールを2杯、レモンハイを1杯飲んだ。実はドリンクを飲むことに集中したため、最初に受け取ったうどんがかなり伸びてしまったが、後から出してもらうことも可能だったようだ。

 筆者が限界を迎えつつあるころ、盛り上がっていたサラリーマン4人組は店員に、飲み放題の延長を頼んでいた。確認すると、600円で30分間延長が可能とのことで、丸亀製麺とは思えないほど宴席はヒートアップしていた。

 筆者はというと、最後に伸びきったうどんを啜りながら、レモンハイを1杯追加。30分のタイムアップ後も、それまでに注いでいたドリンクは飲むことが可能なので、ゆっくり最後の1杯を堪能した。

 こうして、アルコールを計7杯飲み、天ぷら3品、シメのうどんまで食べることができて1000円というのは、圧倒的なコスパだ。十分に元は取れたが、完全に千鳥足になって帰途に就いた。

 近年、吉野家などの牛丼チェーンや、ファストフード店、ファミリーレストランなどが“ちょい飲み”需要に応えた店舗展開を行っているが、実は最高のコスパを求めるならば、丸亀製麺に向かうのが正解なのかもしれない。
(文=牛嶋健/A4studio)