『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』二村 ヒトシ,川崎 貴子 講談社

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 婚活市場が活況な一方で、男性の「草食化」が報じられる昨今。未婚の男女はどんな思いを抱いているのか、なぜ結婚できない人が増えているのか......そんな現代の恋愛・結婚事情にAV監督・二村ヒトシさんと、婚活結社「魔女のサバト」主宰・川崎貴子さんが向き合ったのが、共著『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』です。

 本書では、二村さん、川崎さんの両者が現代の男女の恋愛をテーマに対談しているほか、実際に悩める男性の恋愛相談にものっています。そこに寄せられる相談が、なかなかに深いんです。

 例えば、「モテるのに幸せになれない」という男性・Bさん(31歳)の悩みは「癖のある女性や、メンヘラ女性を好きになってしまう」こと。本書によれば、自分が「普通」なことにコンプレックスのあるBさんは、それを補完するように変わった女性と付き合いたくなるのだとか。実際、これまで付き合ったのは、高学歴なのに異様に酒癖の悪い女性だったり、顔に歯形をつける女性だったり、とにかく癖のある人ばかり。そんな女性たちと付き合っていくうちに、Bさんは「メンヘラ女性を見抜く3つのポイント」を見極められるようになったといいます。

 それは、「深夜に『声が聞きたい』『今すぐ会いたい』と日常的に連絡してくる人」「『私なんてどうせ』と口にする人」「受動的だけどセックスが大好きな人」の3つ。3つ目のセックスについては、Bさんによると「『これはやんなきゃ』って女の子側が考えている基準が高いですよね」「これくらい前戯をしてもらったら、自分もこれくらいするべきだみたいなのが、その子の中に強くある感じがします」(本書より)。相談を読んでいるだけでもなるほど、と思ってしまいますが、これに対する二村さんらのアドバイスも、なかなかパンチが効いています。

 二村さんは本書の中で、そんなBさんに「アナルを掘られてみては?」と衝撃的な提案をします。それも「男性じゃなくて女性に掘られるほうがいいと思う」。驚くBさんに、今度は川崎さんが「物理的に掘られなくてもいいの。心のアナルの話。掘られてもいいと思うくらい、すべてを委ねられる女性と付き合うべきだと思いますよ」と補足。

 実は相談の中で、Bさんは二村さんが書いた女性向けの恋愛本に深く共感したと話しており、二村さんはその点について触れ、「僕の女性向けの恋愛の本を読んで『ここには自分がいる』と思ったんでしょう? ということは、君を苦しめるような女性、君が苦しめてきた女性たちから、君は同類だと思われているんだ。君が女だったら、立派なメンヘラだよ」(本書より)と分析。

 さらに、女性的なマインドを持つBくんに対し川崎さんは「マインドが男の女に引っ張ってもらうほうが、いい付き合いができるんじゃないの?」「私、Bくんは親友から結婚に発展するのが一番いいパターンだと思う」とアドバイス。二村さんも「そういう女性と出会えたら、心のアナルも見せて、彼女に本気で『負ける』ことだね。ていうか、君が素直に降参できる相手が良い結婚相手だと思うんだけど、そういう人は、君と共依存したりコントロール権を争ったりするエキセントリックな女性じゃなくて、友達になれるような女性だよ」(本書より)とメッセージを送っています。

 本書ではこのほかにも、「佐々木希似の美人との結婚を夢見る童貞男子」や「コンドームを3枚重ねる潔癖男子」など、「ひとクセのある男子」たちが恋愛相談をしており、二村さん、川崎さんは彼らの悩みの根底に迫りつつ、現実的な解決法を提案していきます。

一見すると理解不能な悩みでも、その奥底には共感できる思いが潜んでいることも。恋に悩む男性はもちろん、男性が何を考えているのかわからない......という女性にとっても、男性のマインドを理解する一助となるかもしれません。