東京オートサロンのトヨタGAZOOブースには、今週19日から始まるモンテカルロラリーに参戦する「トヨタ・ヤリスWRC」が展示されていました。ちなみにヤリスとは欧州での名称で、日本ではヴィッツのこと。先日ヴィッツにハイブリッド仕様が追加されましたが、WRC用ラリーマシンのベースにもなっているのです。

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ヤリスWRCのパワーユニットは直4の1.6L直噴ターボで、380PS以上のパワーと425Nm以上を発揮。ミッションは油圧式6速ミッションに4WDを組み合わせています。ボディは、張り出したオーバーフェンダーと巨大なリアウイングが凄みを感じさせてくれます。

先月GAZOOがWRCの参戦体制を発表した際に、豊田章男社長のコメントを公開しています。その内容は優しい文面ながら、まさしくWRCへの挑戦宣言そのもの。コメント原文を引用して紹介しますので、是非読んで頂きたいと思います。

豊田章男チーム総代表コメント(全文)

2014年7月にフィンランドでWRCを観戦した際、多くのファンの方から、「トヨタは、いつラリーに戻るんだ?」という声をいただきました。

その半年後に「WRCの道に再び戻る」ことを決意し、本日、その準備を進めたチームの皆、そして支えていただいているパートナーの皆様と共にWRCの道に挑戦するクルマを、世界中の皆さまにお披露目できること、大変嬉しく思います。

かつてトヨタがWRCに参戦させていただいていたことが、10数年の時を経ても多くの方々の記憶に残っていることは大変な驚きと喜びでした。

17年間、この日を待っていてくださったファンの方々に「皆様の気持ちがあったからこそ、トヨタはこの日を迎えることができました。ありがとう。」と感謝の気持ちでいっぱいです。

同時に、1970年代の設立期からチームをリードし続けてくれた故オベ・アンダーソンさん、そのもとで、1980年代にトヨタの確固たる存在感を築いてくれた故ビヨン・ワルデガルドさん、そして、1990年代にドライバーズチャンピオンを獲得してくれたカルロス・サインツさん、ユハ・カンクネンさん、ディディエ・オリオールさん。「ラリーとトヨタ」を人々の記憶に強く刻んでくれた多くの先人達にも、改めて感謝いたします。

あらゆる道を走る競技であるラリーは、人とクルマを鍛え上げるためには最適な舞台です。

トヨタは、その舞台から長い間、離れていました。

しかし、競技主催者、参加者、自動車メーカー、そしてファンの皆様が、この競技を守り、盛り上げ続けてくださったからこそ我々は、この舞台に戻ることができました。

人もクルマも、競い合いの中で…、それも予測しえない環境にさらされた時にこそ本当に鍛えられ成長してまいります。

トミ・マキネンは、幾度となくWRCを制覇した経験を持ち、また、三菱・スバルをはじめ、様々なクルマに乗って戦った経験の持ち主です。

彼とならば、他のチームと対等に競い合い、トヨタをも成長させてもらえるクルマとチームを一緒に作っていける…

そう思い、彼にクルマづくり、チームづくりをお願いしました。

今年のル・マン24時間耐久レースの後にも言いましたが、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。WRCでも、負けたくはありません。

先日、短い時間ですがヤリスWRCのステアリングを握り、トミと一緒にクルマを走らせることができました。

クルマから感じる音や匂い、ステアリングやペダルから伝わる感覚、そして何よりクルマを作りあげてきたトミの表情を見て、このクルマで戦っていく”自信”を、彼と共有することが出来ました。

古くから応援していただいているファンの皆様には「王者トヨタが帰ってきたね!」と新たに応援していただけるファンの皆様には「トヨタを応援してよかった!」と笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、

残り1か月、WRC開幕のその瞬間までトミをはじめとするフィンランド、ドイツそして日本の負け嫌いなチームメンバー達が最後まで努力を続けてまいります。

負け嫌いなTOYOTA GAZOO RacingのWRCへの挑戦への応援をよろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田章男

トップ自らが魂を込めて本質を貫き、自らの言葉で引っ張る組織は、非常に強靭で自律的に進化し続けることができるものです。もちろん直ちに結果は出ないかもしれませんが、豊田章男社長のコメントを読んで、近い将来GAZOOは必ず栄冠を勝ち取ることができると強く感じました。

(星崎 俊浩)

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