「大風呂敷」を広げる人は、一体何を考えているのか?

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■孫正義も柳井正も若い頃、大風呂敷を広げた

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年頭にあたって、「目標」それも大きな目標を持つことの大切さをお話したいと思います。

私が好きな言葉に「散歩のついでに富士山に登った人はいない」というのがありますが、人はどのような目標を持つかで行き着くところが違うとつくづく思っています。

ソフトバンクの孫正義さんは、数十年前に福岡で中古のソフトウエアを売るお店を創業しました。アルバイトを2人雇ってビジネスをしていたそうですが、あるときに2人の前で、「この会社は将来、豆腐を1丁、2丁と勘定するように、1兆、2兆という単位のビジネスをする」と語ったそうです。そのとき2人のアルバイトは、「この人どうかしている」と思って辞めてしまいました。しかし、現実には、ソフトバンクの売上高は10兆円に迫る会社となっています。

ファーストリテイリングの柳井正さんも「大きな目標」を持つことの大切さを『経営者になるためのノート』で説いておられます。売上高1兆円を目指していましたが、前期の売上高は1兆7000億円です。

皆さんはどんな目標をお持ちですか。

安定した企業に勤めていると、目標を持たなくても、毎日が無事に過ぎていきますね。しかし、それは、せっかく達成できる人生の目標を忘れてしまうことにもなりかねません。毎日、目の前のことを一所懸命にきちんとこなしていくことはとても大切なことです。

しかし、それでは毎日必死に近所を「散歩」しているだけかもしれません。

アメリカのルーズベルト大統領は「足は大地に目は星に」とおっしゃっています。せっかく、一所懸命働くなら、何か目標、それも遠くにある大きな目標を持ってそれに向かって進んでいくほうが、人生がより充実するのではないでしょうか。

■高級車や高級時計を持ちたい、でいいのか?

私は、講演などで「仕事で自己実現をすることが大切」とよくお話します。「自己実現」とは「なりたい自分になる」ということでしょうが、その大前提は「なれる最高の自分」を目指すことだと思っています。多くの人が高い目標を持たないのは、「なれる最高の自分」を目指していないからではないかと私は考えています。

もちろん、人間には生まれ持った才能というものがあり、だれもが、孫さんや柳井さんのような大実業家になれるわけではないでしょう。ただ、だれでも「なれる最高の自分」にはなれるはずです。

私ごとで恐縮ですが、私は、長い間「単著で100冊出版する」という目標を持っており、それを公言していました。最初は、多くの人が、はっきりとは言わないものの、「無理だろう」と思っていたと思います。

しかし、おかげさまで3年前にそれを達成し、今は130冊を超えました。今では、「次は200冊だね」と言ってくれる人も少なくありません。

人は、思ったものにしかなれないのです。

そういった意味で目標を持つということ、それも「なれる最高の自分」を意識した目標を持つことがとても大切だと思っています。

もうひとつ、大切なことがあります。それは「志」です。

こちらも目標と大きく関連しますが、「高い志」を持つことです。大きな目標を達成する人を見ていると「高い志」をお持ちだと思います。孫さんや柳井さんにしても、自社の商品(通信や衣料)を通じて世の中を良くしたいという志をお持ちです。

もちろん、「大金持ちになりたい」、「高級車や高級時計を持ちたい」というのも目標ではありますが、そこには多くの人が受け入れ、応援してくれるような「志」がありません。多くの経営者を見てきましたが、高い目標を達成し、かつ持続できる人は、やはり「志」が高いと感じています。「高い志」を持てば、エネルギーや勇気が持続するのだとも思います。

年頭にあたって、私も含め、皆さんもご自身の目標と志を再度確認されるといいのではないでしょうか?

(経営コンサルタント 小宮一慶=文)