最近、悪夢を見ることが増えてきた……。それは気になりますね。どうして? 原因は?  ストレス? 一日ならともかく何度も見たり、続けて見たりすると、せっかく寝ても寝た気がしません。それどころか寝るのが怖くなって不眠に陥る魔のスパイラルに……。悪夢から解放される方法はあるのでしょうか?

悪夢を見ることでストレス発散している?

どうしてそんな夢を見るのか。人が夢を見るメカニズムは、現代科学を以てしてもいまだ謎に包まれています。悪夢については、イヤな夢を見ることでストレスを発散させているという説もあります。ある実験で、被験者にストレスがたまりそうな映像を見せ、寝た後にストレスチェックをしたところ、悪夢を見た被験者のほうがストレス度が低かったというデータがあるそうです。人は睡眠中に記憶や感情、思考の整理をしているのですが、悪夢を見ることで精神的な負担を減らしている可能性もあるということです。

でも、たとえそうだとしても、悪夢は見たくありませんね。自分や、大切な人が傷つけられる夢、反対に自分が加害者になる夢、またその時の衝撃で起きてしまうような夢。それだけ生々しい夢を見るということは、睡眠の質に問題があるということです。また、そんな目覚めで1日がスタートするとなると、明らかに1日のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)が落ちます。私も一時、連日、悪夢に襲われ、眠れなくなったことがあります。起きた時すでにぐったり。そうなると、寝ること自体が怖くなり、入眠障害になる危険性が出てくるのです。

まず必要な対策はストレス・ケアです。睡眠に関わるすべての問題の元には、ストレスが関わっています。悪夢の原因にストレスが一枚かんでいるのは間違いないでしょう。とはいえ、ストレスは毎日たまるわけです。Suits世代の女性に「ストレスをなくせ」と言ってもムリな話ですね。

心理的不安をオフにする入眠儀式。抱き枕もという手も

そこで大切なのは、ストレスをスイッチオフする入眠儀式です。たとえどんなにストレスのたまる1日であったとしても、寝る前に思考回路のスイッチを切れるメソッドを持つことです。何か1つ、自分の気持ちが上がるもの、確実にリラックスできるものを見つけましょう。前回、ご紹介したマインドフルネスをするのもおすすめです。

いちばん手軽に取り入れられるのが香り儀式です。好きな香りのミストを枕にひと吹き。「私はこの枕に頭を置いて寝る、いい夢が見られますように」と念じてプシュッ! ルーティンですから単純なことでいいのです。やるだけで気分が違います。

心理的に不安を抑えるためには、抱き枕を使うのも一手です。抱き心地のいいものを選んでください。お気に入りのぬいぐるみでもいいでしょう。枕の隣に置いておくだけでも安心感が違うかもしれません。

お布団、重くない? 寝具環境、パジャマもチェック!

寝具まわりの環境もチェックしてみてください。今の時季、布団をかけ過ぎて重くなっていませんか? 電気毛布をつけっぱなしで寝ていませんか? 重すぎたり、暑すぎたりして、体に負荷がかかっていると、悪い夢を見るかもしれません。あるいは、最近忙しくて、しばらくシーツを洗っていないとか、ベッドのまわりにゴミが散らかっているとか、衛生面の問題はありませんか? 衛生的でない寝床に長時間いることで、ストレスが生じる可能性もあります。寝具まわりを掃除して、気分もスッキリさせてください。

衣服も見直してみてください。寝返りの打ちやすいパジャマを着て寝ていますか? 布団が重い上に寝返りが打ちにくいとなると、睡眠中、体にストレスがかかり、うなされる原因になるかもしれません。Tシャツやジャージをパジャマ代わりにしている人が多いのですが、寝返りの打ちやすさや吸湿性などの面でパジャマのほうが優れています。寝るときはパジャマ。お気に入りの、肌ざわりのいいパジャマ。これ一枚で寝心地が快適になり、悪夢が減るかもしれません。悪夢は続けて見たくないもの。ぜひお試しください。

抱き枕やぬいぐるみが助けてくれるかも。



■賢人のまとめ
寝る前にリラックスできる入眠儀式を取り入れましょう。寝具まわりの環境やパジャマもチェック!

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。