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●冬でもはやり目が流行する時代に
起きがけにふと鏡を見ると、「これ誰!? 」と疑いたくなるほど、目が腫れぼったくなっていた経験はないだろうか。

目の腫れは誰もが陥りやすい症状であるが、その原因は多岐にわたる。「どうせいつものむくみだろう」などと放置しておくと、思わぬ病気の"サイン"を見過ごすことになりかねない。

今回はあまきクリニック院長の味木幸医師に「目が腫れたときに疑われる病とその対処法」ついてうかがった。

ものもらい

まず、目の腫れが主訴となる疾患としては「ものもらい」がある。ものもらいには「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」の2種類があり、前者はまつ毛の生え際にある「マイボーム腺」と呼ばれる太くて長い分泌腺上にでき、後者は霰粒腫よりまつ毛の近くにある皮脂腺にできる。特に麦粒腫の特徴の一つとして、「まぶたの一部が赤く腫れる」がある。

ものもらいは脂を分泌するマイボーム腺から細菌が入ったり、マイボーム腺の出口が詰まり、その中で脂と細菌がたまったりすることで発病する。そのため、汗をかく初夏ごろに患者が増える傾向にあるが、冬の患者も少なくないと味木医師は話す。

「寒くなってマイボーム腺が縮んだり、脂が固まってその出口をふさいだりしてしまうからでしょうか、冬にものもらいになる人も多いです。あと、年末年始の忘年会や新年会での暴飲暴食や、仕事の年末進行に伴う疲労なども関連しているのかもしれません」

ものもらいだった場合は初期段階のケアが重要。対処法としては生理食塩水や人工涙液型の点眼をしたり、患部に蒸しタオルを当ててマッサージしたりするのが効果的だ。

流行性角結膜炎(はやり目)

季節性疾患の「流行性角結膜炎(はやり目)」も症状に目の腫れが確認され、そのほかには「充血」「大量の目やに」「目のゴロゴロ感」などがある。

はやり目はアデノウイルスに感染すると発症する。ものもらいが他人に感染を広めない一方、ウイルスを媒介とするはやり目は他人へとうつる。ウイルス感染者が目を手でこするなどして、その手でドアノブや電車のつり革といった不特定多数の人が使用する場所を触ることで、他人に感染が広がっていく。

「『プール熱』の原因にもなるアデノウイルスは、基本的に夏に流行するウイルスです。ただ、今冬は特に保育園を中心にはやり目の患者が増えている印象があります」

アデノウイルスは湿気や水に強い特性を持つ。近年は冬でも入れる温水プールやスパなどが充実してきており、冬のはやり目にも十分注意が必要。アデノウイルスの体内への侵入を防ぐには手洗い&うがいを励行するほか、ウイルスの付着を防ぐ冬ならではのアイテムとして手袋を着用するのもよい。

●目のむくみには危険が潜む!?
むくみ(浮腫)

いわゆる「むくみ」も目の腫れとしてとらえられる。むくみ自体の原因には過度の飲酒や疲れ目、睡眠不足などがある。先述のものもらいやはやり目などの疾病に比べると、単なるむくみは赤みの部分が少なく、ぷよぷよした独特の感触なのが特徴だ。

「体全体がむくんだときにまぶたもむくんでしまい、腫れているように見えることがあります。ただ、まぶたのみがよくむくむ場合は、腎臓機能が低下しているケースも考えられます。重度の病気が隠れている可能性もあるため、本当にむくみが気になる人は内科への受診をお勧めします」

そのほか、地域によっては12月や1月といった寒い時期でも花粉が飛散している。そのため、季節性のアレルギー性結膜炎、いわゆる花粉症によって目の腫れが症状として出てくる事例もあるとのこと。

○腫れの原因特定ポイントは

味木医師は「『腫れている部分がかゆいのか痛いのか』『何をした後に目がそうなったのか』などが、目の腫れの原因を特定するポイントになります」と話す。

目が腫れているとどうしても人と会うのがおっくうになるし、気分も優れない。毎日きちんと自分の体をチェックすることで、目も含め体のさまざまなトラブルを未然に防げるようにしておきたいものだ。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。

(栗田智久)