日本の青少年スポーツは競技の技術向上以上に、人間としての成長を促す教育を重視する傾向にある。勝利を追い求めるだけでなく、礼儀や生活態度に対する指導も行われる。近ごろ、中国のユースサッカー界において「教育としてのサッカー」を伝道する日本人指導者が増えているようである。その取り組みには、中国のスポーツ当局も注目しているようだ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 日本の青少年スポーツは競技の技術向上以上に、人間としての成長を促す教育を重視する傾向にある。勝利を追い求めるだけでなく、礼儀や生活態度に対する指導も行われる。近ごろ、中国のユースサッカー界において「教育としてのサッカー」を伝道する日本人指導者が増えているようである。その取り組みには、中国のスポーツ当局も注目しているようだ。

 中国国家体育総局の機関紙的な位置づけのメディア・中国体育報は13日、「サッカーは最高の教育である」とする記事を掲載した。記事は、「サッカーは最高の教育」とかねがね言われてきた一方で、「どうしてそうなのか、どうしたら最高の教育になるのか、サッカーと教育はどう融合したらいいのか」という疑問符が、中国のサッカー関係者の頭につきまとってきたとした。

 そのうえで、Jリーグ・川崎フロンターレの監督やU-21日本代表のコーチ経験を持ち、現在中国スーパーリーグ・河北華夏幸福のユース監督を務める高畠勉氏から「競技の要素よりも、サッカーの教育的要素がより重要である」との回答を得たと紹介。その「サッカーを通じた人格教育」について説明している。

 記事は「ピッチでは全力を出す一方でコーチや対戦相手、審判に敬意を示すこと。ピッチの外では自分の趣味に興じて構わないが、団体行動を優先すること。生活においては元気でわんぱくであってよいが、年長者を尊敬し、後輩を愛すること」という、サッカー教育における子どもたちへの要求について、「決して過分なものではないが、中国サッカーでは軽視され、欠如し続けてきた」と伝えた。

 そして、近ごろ多くの中国クラブチームがユース育成に日本人指導者を起用する「重要な理由」について、「彼らはサッカー自体の能力は必ずしも最高ではない。しかしユースサッカーに対する理解、サッカーと教育の融合という点では間違いなく最適なのだ」と論じた。記事はまた、「サッカーは単に若者への教育のみならず、転換期を迎えている中国社会のすべての人が受けるべき授業だ」ともしている。

 団結心、他人や周囲に対するリスペクトなどは、確かに今の中国社会において著しく欠如している要素と言える。サッカー教育も、中国人の情操教育を深めるうえのアプローチの1つ。様々なアプローチから、特に子どもたちを主眼においた人格形成教育に取り組まなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)