photo by Gage Skidmore(CC BY-SA 2.0)

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まさかのトランプ当選から2か月。この間、アメリカの株式市場は過去最高値を更新しながら急上昇し、「トランプ・バブル」の様相を呈している。このバブルに今から乗っても大丈夫なのか、専門家に聞いた!

◆トランプ後の高成長&高配当株に資金が一極集中!

「大統領選以後の『トランプ相場』のアメリカ株上昇とドル高のダブル効果で、4300万円だった資産が、5000万円近くにまで増えました」

 そうホクホク顏で話すのは、’01年から米国株への投資を続ける個人投資家のおっさん氏だ。

「今は当選の『ご祝儀相場』という印象もありますが、新大統領の政策でアメリカ経済が活性化してさらに上昇するポテンシャルは十分あると思います」

 ダウ平均株価は11月の大統領選以降、押し目らしい押し目もつけずに10%も駆け上がった。ここまで来ると相場の行きすぎを指摘する声も聞かれるが、世界銀行やJPモルガンのエコノミストを歴任した経済評論家の中丸友一郎氏は、「トランプ相場はまだ終わらない」と断言する。

「トランプ氏は、現在2%の経済成長率を4%に引き上げると公言しています。公約に掲げた大規模減税とインフラ投資が本当に大盤振る舞いされれば、決して実現不可能な数字ではありません。アメリカ株も少なくともあと1年は、上昇を続ける可能性は高い」

 トランプ相場による好景気を背景に利上げも順調に進み、ドル高傾向にも拍車がかかると予想。1ドル125円もあり得るという。

 一方、おっさん氏も強気の姿勢を崩さない。

「アメリカのグローバル企業は、高い法人税から逃れるために税率が低い海外に利益をため込んでおり、その額は日本円にして300兆円に達するといわれています。そこでトランプ氏は、アメリカ企業が本国に利益を送金すれば、法人税率を10%まで引き下げると言っている。海外に逃げていた300兆円が国内で再投資されれば、巨額の経済活性策となるでしょう。その効果は計り知れませんよ」

◆世界的ブランド企業も株価2倍はあり得る

 上昇を後押しする材料に事欠かないアメリカ株。では具体的にどんな銘柄を選ぶべきか。おっさん氏は、いまや世界最大の小売業者に成長したアマゾンに注目する。

「株価の割安度を示すPER(株価収益率)は158倍と、非常に割高となっていますが、アマゾンにはこうした一般的な指標ではとても評価できないほど圧倒的な価値がある。さまざまな新サービスを打ち出して年々支配力を拡大しており、アマゾンなしでは生活できないような人が世界中で増えていくのではないでしょうか」

 さらに、中丸氏とおっさん氏がそろって本命視するのは、世界の時価総額ナンバーワン企業であるアップルだ。

「ジョブズ亡き後は成長に陰りが見えるという意見もありますが、ブランド力は圧倒的」(中丸氏)

「サービス部門の売り上げも年間2兆円を超えてきており、ハードを売るだけのビジネスモデルはすでに脱却しつつあります。特にアップルペイは財布がいらなくなるほど大きなリプレイスの可能性を秘めております」(おっさん氏)

 また、おっさん氏は配当の高いコカ・コーラ、ジョンソン&ジョンソン、P&Gもおすすめという。

「どれも世界的に強力なブランドを持ちながら、配当利回りは3%前後と高水準。配当を受け取りながら10年で株価2倍も目指せる」

 ただし、アメリカ株投資にも当然ながらリスクはある。中丸氏が最も懸念するのは、トランプ政権の後半にかけて浮上する可能性が高いという「双子の赤字」だ。「トランプノミクス」に似ていると指摘されるかつてのレーガン政権下でも、問題になった財政赤字と経常収支(国際収支)赤字のことである。

「インフラ投資や減税は短期的には景気や株価に大きなプラスが期待できますが、時間がたつほどマイナス面が大きくなる。財政支出と減税による税収減がもたらす財政赤字と、景気拡張による輸入増で経常収支赤字拡大という問題が浮上してくると考えられます」