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●コードレス掃除機が抱えるジレンマとは?
シャープの新しいコードレス掃除機「RACTIVE Air EC-A1R」。本体のパイプ部分に「ドライカーボン」と呼ばれる素材を用いることで、本体、パイプ、ヘッド合わせて重量1.5kgという超軽量を実現した製品だ。家で使ってみたので、使用感や気付いた点などを以下にまとめたい。

バッテリーで駆動するコードレスクリーナーは、電源コンセントと電源コードで給電するキャニスタータイプに比べて、吸引力に課題があった。高い吸引力のためにはそれなりの電力が必要で、必然的にバッテリーの比重が高くなる。そうすると価格が上がってしまうし、何より大型のバッテリーを載せると重くて操作しづらくなる……という一種のジレンマを抱えているのだ。

しかし、近年はバッテリー性能の向上や小型化により、コードレスクリーナーでも高い吸引力を維持できるようになった。海外メーカーだけでなく、国内メーカーからも、性能の高い製品が続々と登場しているのだ。シャープも2014年から「FREED」というコードレス掃除機を発売。重心バランスを工夫することで、自立を可能にしたうえ、手首への負担も軽減しているという画期的な製品だ。

とはいえ、女性の筆者からするとまだ少し本体が重く、ハンディで使用する際に片手で持つには辛いところがあった。今回のRACTIVE Airは、こういった声に応えたもので、軽量化にこだわった製品となっている。

RACTIVE Airは、バッテリーやモーターといった掃除機の性能を左右する根幹部分について、FREED相当のものを採用しているというのがポイントだ。ただし、本体を軽量化するため、パイプ部分の素材をドライカーボンに変更している。加えて、イオン発生機能「プラズマクラスター」を省略することで、さらに軽量化を図った。

●機動力と吸引力がピカイチ
使ってみてまずは感じたのは、機動力のよさだ。

実は筆者、数年前にスティック掃除機を処分し、以降はキャニスター型とロボット掃除機を併用。さっくりとした日常的なお掃除はロボット掃除機にまかせて、時間のある時にロボット掃除機が入れない部分や高所の掃除をキャニスター型で重点的に行っている。

しかし、台所の床にうっかり小麦粉などをこぼしてしまったときなど、限られた範囲をその場で掃除したい場合は、キャニスター型もロボット掃除機もマッチしないように感じていた。ここにスティックタイプの掃除機が1台あると、気になったところを気付いた時に掃除しやすくなる。

吸引力とバッテリーも優れている。

掃除機の吸引力を表す業界標準の指標「吸い込み仕事率」は公表されていないが、シャープによると同社キャニスタータイプと同等の部品を搭載しているとのこと。実感としても、キャニスター型にも劣らない吸引力だと感じる。床の上にたまったホコリや目に見えるサイズのゴミなどはヘッドで一往復すればほとんど吸い込んでいるし、ダストボックスを見る限りもしっかりとゴミを除去できていることがわかる。

そして、RACTIVE Airのバッテリー持続時間は、強モードで約8分、標準モードで約30分。我が家のリビング全体(13畳ほど)をざっくり掃除するには十分すぎて、キャニスター掃除機やロボット掃除機の出番を減らしてしまった。

バッテリーが着脱式で、本体から取り外して充電できるのも大きなメリットだ。バッテリー単体で充電できるので、RACTIVE Airを使わないときも、コンセントのある場所を意識せずに置いておける。しかも、約80分の急速充電にも対応し、別売のバッテリーを用意すれば連続して長時間掃除できるなど、柔軟なところがうれしい。

●高いところを掃除してみた
RACTIVE Airの軽さをより実感できるのは、ハンディクリーナーとして使ったときだ。「はたきノズル」と「すき間ノズル」というハンディ用の付属品2種類が付属するが、延長管を外してそれらに付け替えても軽い。はたきノズルを取り付けた状態で、照明器具や冷蔵庫の上、エアコンの周辺といった高い位置も、女性の手でRACTIVE Airをラクに持ち上げて掃除できる。

掃除はこまめに行えば、1回あたりの時間が短く済む。そういう意味で、こうした機動力やユーザーに負担をかけない操作性は非常に重要。その点で、RACTIVE Airは大いに優れている。

課題と感じた点は、ヘッド部分やノズルに静電気が生じて、周囲にホコリやゴミなどが付着しやすいこと。FREEDのようにプラズマクラスターイオンを放出し、静電気を抑えることができないため、静電素材を練り込むなどの工夫があるともっとありがたかった。

とはいえ、ゴミを溜めるダストカップの使い勝手、丸ごと水洗いできる点など、お手入れのしやすさはFREEDからしっかり受け継いでいる。パワーヘッドもお手入れしやすく、3週間ほど毎日使っても補助輪に髪の毛が絡みつかなかった。絡む前にしっかり吸い込めている証拠ともいえるだろう。

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RACTIVE Airを使ってみて感じたのは、「掃除はためないことが秘訣」ということ。軽くて取り回しやすいRACTIVE Airは、手の届く範囲を常にキレイにしておくのにうってつけだ。吸引力もキャニスタータイプに引けを取らず、バッテリーについてもさまざまな工夫がある。一人暮らし向けの主力掃除機としても、ファミリー向けの2台目の掃除機としても有用だ。掃除に対するストレスを大幅に軽減してくれる1台になるだろう。

(神野恵美)