フランスの最も美しい村協会が定めた厳しい基準に沿って選ばれる「フランスの最も美しい村」。

現在、フランス全土で150あまりが「美しい村」に認定されています。

なかでも、自然と調和した小さな街が点在する南フランスは美しい村の宝庫。南フランスにある美しい村のひとつが、サン・トロペ近郊にあるガッサンです。

「ガッサン」という名の由来は、「湾の守護者」を意味する”Guardia Sinus”。その名の通り、ガッサンの村はサン・トロペ湾を見下ろす標高200メートルの丘の上にたたずんでいます。

展望台からのサン・トロペ湾の眺望はガッサン最大の自慢。紺碧の海に白いヨットが浮かび、平原と山々が湾を取り囲む風景は息を呑む美しさ。よく晴れた日には、遠くアルプスの山まで望見渡すことができます。

この景色をひと目見ようと、多くの人々がガッサンを訪れます。サン・トロペ湾が一望できるとあって、小さな村でありながら雰囲気の良いレストランがいくつも並んでいます。

お昼どきになるとランチ目当ての観光客が増えるので、お昼前に着いて村を散策した後、美しい景色をお供にランチを楽しむのがおすすめ。ランチコースは25ユーロ前後です。

ざっと見て回るだけなら15分もあれば一周できてしまうほど小さな村ですが、せかせか観光するのはこの村には似合いません。南フランスならではの温かな日差しや、柔らかいそよ風を感じながら、ゆったりと歩いてみましょう。

中世の城壁が残る村には、ざっくりと石を積み上げて造られた家々が並びます。ミルクティー色の石造りの家と、パステルカラーの扉が、南フランスらしい優しい風景をつくり上げています。

レストランが並ぶ通りを除いては、あまり観光地化されておらず、中世そのままのひっそりとした趣をとどめています。目立った観光スポットがあるわけではありませんが、美しく手入れされた石造りの家々の風景自体がどうしようもなく絵になるのです。

何気ない日常の風景の美しさにはっとして、思わず足を止める瞬間があることでしょう。

村に並ぶ家々の細部に注目してみると、きっと楽しい発見があるはず。南フランス、特にプロヴァンス地方で幸福のシンボルとされている陶器でできたセミの飾りを探してみてください。

このドアには、さらにヨーロッパで幸運のお守りとされている馬蹄のドアノブも。たくさんの幸せが舞い込んできそうな素敵なドアですね。

中世のまま時をとどめたかのような村の向こうには、サン・トロペ湾。歴史を感じるひっそりとした街並みと、開放的なロケーションの組み合わせが最高です。

南フランスの村ならではの街並みと、サン・トロペ湾の絶景が同時に楽しめるガッサン。いつまでもまぶたに焼き付けておきたい風景がここにあります。

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