10日、韓国で「生計型犯罪者」などと表現される、生きていくためやむなく罪を犯す人が景気低迷の影響で急増している。写真はソウル。

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2017年1月10日、韓国で「生計型犯罪者」などと表現される、生きていくためやむなく罪を犯す人が景気低迷の影響で急増していると韓国・国民日報が伝えた。空腹のあまりパンを盗んだ「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・ヴァルジャンのように、苦しい生活から偶発的に一線を越えてしまう人が多いという。

韓国警察庁は同日、全国142の警察署で昨年3〜11月に「軽微犯罪審査委員会」を運営した結果、軽犯罪で刑事立件対象となった1469人のうち1375人が即決審判で減刑され、972人については訓戒・放免のみの措置が取られたと明らかにした。20万ウォン(約2万円)以下の罰金・拘留または科料に該当する事件について審議する「即決審判」や「訓戒・放免」の場合には前科が残らないため、軽犯罪を犯した1375人が前科者になるのを免れたことになる。

長引く中高年や若者世代の就職難から、隣家の物を盗んだりスーパーで食べ物を盗んだりする「生計型犯罪者」は後を絶たない。昨年3月、ソウル市内ではある住宅前に置かれていた宅配荷物を盗んだとして廃品回収で生計を立てていた75歳の男が捕まり、今月2日には大邱市内のスーパーで正月雑煮用の餅など2万5000ウォン(約2500円)相当を盗んだ30代の男が捕まった。

軽微犯罪審査委員会はこうした生計型の罪を犯した「現代のジャン・ヴァルジャン」らを救済するとの趣旨で設置された。専門家も「生活苦と生計型犯罪には切っても切れない関係がある。こうした軽犯罪に対しては、司法機関も一部事情を考慮するのが社会の安定に望ましい側面がある」として、こうした措置に賛成の意向を示している。

これについて韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「だからと言って犯罪を大目に見たら駄目だ。金のある人を大目に見るのは特に」
「常習犯も許したら駄目だよ」
「暴行や詐欺も見逃すのはどうなの?」

「少額の窃盗なら理解できる」
「国会議員のものを盗んでも合法ということにしたら?」
「じゃあこれからは、何かを盗んでも『お腹が空いて何日も食べていないんです』と言えばOKなのか?いいことを教わった」

「気の毒だけど犯罪は犯罪でしょ」
「これじゃ犯罪の合法化じゃないか。今後はもはや憲法じゃなくて国民感情法とでも呼ばなきゃいけないかな」
「悲しいニュースだね」(翻訳・編集/吉金)