アメリカのトランプ次期大統領は1月11日、ニューヨークのトランプタワーで大統領選後初めての記者会見に臨んだ。会見でもトランプ氏は選挙戦での過激な主張を繰り返した。


 トランプ氏は会見で「貿易では中国に対して年間何千ドルを失っている。日本、メキシコ、ほぼすべての国との間で貿易赤字だ」と発言。貿易の不均衡についてはメキシコや中国と並んで、日本も名指しで批判した。

 一方、会見と同じ日、議会の公聴会に出席したティラーソン次期国務長官は「中国の南シナ海や尖閣諸島での行動は違法だ。中国のものだという正当性のない領土を奪おうとしている」と話した。また「我々は日本と韓国と長年の同盟関係にありこれに基づいて対応する。両国の防衛という点で我々は責任を持っている」とした。トランプ氏は選挙戦で在日米軍の撤退も示唆していたが、ティラーソン氏はオバマ政権の方針を維持することを明言した。


 トランプ陣営の閣僚が次々と記者会見する中で、トランプ氏が選挙戦で繰り返したような日本に対する厳しい批判が出ることはなくなった。このことに対して自民党参院議員の青山繁晴氏は「偶然ではない」と話す。青山氏によると「中国と貿易で争う以上日本とは手を組んだ方が良いという計算が働いている」という。


 トランプ政権の通商政策はどう読み解けば良いのか。国際ジャーナリストの小西克哉氏は「日本が批判されたことばかり注目が集まるが、会見の文脈を読み解くと、中国の貿易赤字の問題の話を主にしている。日本は“ついで”で話に出てくる」と今回の会見について語った。また「俯瞰的にみないとトランプ政権の通商政策ははっきりわからない」と話す。経済閣僚や通商閣僚といったトランプ政権の通商政策を司る人物たちの主義はバラバラでまとまっていないという。例えば、次期通商代表として名前があがっているライトハイザー氏は対中強硬派として知られ、保護貿易主義を唱えてきた人物。一方で、商務長官に名前のあがっているウィルバー・ロスという人物はTPP賛成派と知られている。

 また自らを「最大の雇用創出者」とし、各企業に工場をアメリカ国内に作らせようとしていることについて、青山氏は「そうしたら製品の値段は上がってしまう。だが、そこはあまり考えていないのではないか」と推測する。

 また対日関係について、小西氏は「同盟国という意識は極めて希薄。頭の中にないのでは?」また青山氏も「トランプ氏のやっていることは外交だと思ってはいけない。あくまでビジネスの取引やっているだけ。だから同盟国という考えはないだろう」としたうえで「これから世界が壊れていくのだから日本の外交にとっては、今までの立場を乗り越える大チャンス」と語った。


 20日に迫った大統領就任。トランプ政権の通商政策はどのように展開され、今後世界にどんな影響を与えるのだろうか、目が離せない。

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