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●Chromeのエクステンションがそのまま使えるVivaldi
Chromeのシェアはデスクトップ向けとモバイル向けの双方において50%を超えており、最も影響力が大きなWebブラウザとなっている。だがこのところ、UI/UXは安定しており、ユーザーから見た大きな変更もない。こうした現状を停滞だと感じるようであれば、代替候補としてVivaldiを考えてみてもいいかもしれない。以下、その2つの理由を紹介しよう。

○エクステンションはChromeへの乗り換えの障害にならず

多くのユーザーがオープンソース・ソフトウェアのブラウザとしてFirefoxを使っていた時、新たに登場したChromeを「軽くて速くて、ちょっと気になるヤツ」と感じたのではないだろうか。

しかし、簡単にFirefoxからChromeに移行できない理由があった。そう、アドオンやエクステンションがChromeには存在しなかったのだ。ブラウザを自分風に作りこめるアドオン/エクステンションの不在は、登場当初のChromeの普及を妨げる理由の1つになっていた。

今のChromeとVivaldiはこの状況にちょっと似ている。「軽くて速くてちょっと気になるヤツ」としてVivaldiが登場した。しかし、すでにいくつものエクステンションを導入したChromeからほかのWebブラウザに移行するのは、考えただけでも頭が重い。しかし、ここからの状況はちょっと異なる。

VivaldiではChromeのエクステンションがほとんどそのまま使えるのだ。というのも、ベースにChromeと同じChromiumを使っているからだ。もし、エクステンションがVivaldi導入の妨げになっているのであれは、気にしなくてもよいと思う。

試しに、Vivaldiの拡張機能のページから「Vivaldiウェブストアを閲覧」をクリックすると、Chromeのウェブストアが表示される。タイポではない。「Vivaldi」のウェブストアをクリックすると「Chrome」のウェブストアが開くようになっている。

Chromeで使っているエクステンションを検索してインストール作業を行うと、そのままVivaldiにエクステンションがインストールされることを確認できる。

○Vivaldiを使えばエクステンションが減るかも?

VivaldiはChromeがエクステンションで提供している機能をデフォルトで実装している。そのため、Chromeで使っているエクステンションのうち、Vivaldiにインストールしなければならないエクステンションの数は少なくなる可能性がある。

また、Chromeにインストールしたエクステンションを整理してみると、実際に使っているエクステンションの数は減るんじゃないだろうか。Vivaldiを試してみる際は、Chromeでよく使っているエクステンションだけを選択してインストールしてみることをお薦めしたい。せっかく新しい環境を試すのなら、必要なものだけを選んで身軽になってもらえればと思う。

また、開発中のエクステンション、または個人的にローカルで開発して利用しているChromeエクステンションもVivaldiでそのまま利用できる。

Vivaldiの実装している機能の都合上、Vivaldiで動作しないエクステンションなども存在するが、動作しない場合はフォーラム(日本語のフォーラムはこちら( 日本語 )で、日本語に関してはここに報告すると対応してもらえることが多いようだ。

●ネイティブに実装されているから軽いタブスタック
○タブスタックという新しい使い方

エクステンションの次に紹介したいのが、「タブスタック」だ。タブスタックは複数のタブをひとつのタブにまとめておく機能である。Vivaldiはこの「タブスタック」がほかの主要Webブラウザと比べて新しく、この使い方を知ると、Vivaldiの利便性をより理解してもらえると思う。

Webサーフィンの目的の1つに特定の情報に関する検索がある。大抵は何らかの目的があって検索を行うものであり、そこには文脈がある。つまり、ブラウザには関連性のあるタブがいくつも開かれることになる。

現実であれば、調べたデータを同じ書類棚に入れておくとか、同じファイラに入れておくといったことをすると思うが、Webブラウザで同じことをするのが「タブスタック」だ。

タブスタックを使うと、UI/UXとしては単一のタブに複数のタブが合流したようになる。あるタブの上に、さらに小さいタブが並ぶようなイメージだ。タブスタックはタブを重ね合わせるようにタブをドラッグ&ドロップすることでも作成できるし、複数のタブを選択したあとでメニューから操作して作成することもできる。必要な書類をまとめるというイメージを持っておくとよいと思う。

○複数の資料を平行して読む場合も使える

タブスタックは別の目的でも利用できる。資料を読む場合、その資料に関連したほかの資料を表示させておいたり、マニュアルを開いておいて同時に見ることが可能な状況にしておいたりすることがある。Vivaldiだとタブスタックを使ってこれを実現できる。

例えば、以下のスクリーンショットは英語のドキュメント、その日本語訳、オンラインマニュアルの3つのドキュメントをタイル状に表示させたものだ。タブスタックに登録したドキュメントはこのようにタイル状に並べることができる。タイル状に表示させたいコンテンツをタブスタックに登録し、こんな感じで利用する。

検索結果をタブスタックにまとめて、上記のようにタイル状に表示させて閲覧といった使い方だって当然できる。インチ数が大きな4Kや5Kのスクリーンを使っているなら、複数のページをタイル状に並べて比較しながら読むという使い方も便利だ(小さいスクリーンでこれをやっても、意味がないというか、すごく見にくい)。

Vivaldiの強みはこれがエクステンションではなくネイティブに実装されている点にある。Vivaldiのデフォルト機能として実装されているので軽快だし、リリースごとに動きがよくなっている。Webサイトを閲覧している時、開いているタブがかなりの数になるなら、Vivaldiのタブスタックは解決策になるかもしれない。

○こだわりがうれしい

今のところ、Vivaldiはタブというインタフェースを新たなレベルに引き上げる取り組みを行っている。「タブと上部UIの色がタブごとに変わる」「ナイトモードになるとUIが暗めになる」「プログレスの表示が細かい」など、いろいろなこだわりを感じることができる。

こうした機能は話を聞いただけでは小手先の実装のように思えるが、使ってみるとなかなか心地よい。どんどん寡黙になっていく最近のWebブラウザのUI/UXと比べると、Vivaldiは細かくフィードバックがあって「使っている」「動いている」といった感じをちゃんと感じることができる。細かいことかもしれないが、毎日使う上ではこうした配慮が気持ちの良いインターネットの利用につながってくる。まだVivaldiを使ったことがないのであれば、ぜひ一度使ってみてほしい。

(後藤大地)