トランプを支える2人の息子 ジュニアとエリックの生い立ち

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1月11日、米大統領選の投票日以降初の記者会見に臨んだトランプ次期大統領が、自身が経営してきた不動産企業「トランプ・オーガナイゼーション」の経営を、2人の息子のドナルド・ジュニアとエリック、そして同社のCFOのアレン・ワイセルバーグに委ねると発表した。利益相反の懸念が払拭されたわけではないが、トランプ氏が2人の息子に経営権を譲ったことは驚きには値しない。

ペンシルベニア大学卒のドナルド・ジュニアとジョージタウン大学卒のエリックは、大学卒業後に父親の企業に入社。現在は上級副社長として勤務している。

「生まれた瞬間から父親の下で働いています、というジョークがお気に入りです」とドナルド・ジュニアは2006年のフォーブスの取材で話した。「5〜6歳のころから父親と一緒に職場に行っていました。父にいつも言われたのは、酒を飲むな、タバコを吸うな、女を追いかけるな、そして絶対に人を信用するなということでした」

だがドナルド・ジュニアは大学時代には飲酒問題を抱えていた。酒をやめたのは、卒業後に各地を旅して2001年に父親の企業に入社してからだ。「ほどほどに飲むというのは得意ではありません」とジュニアは語っている。それ以来、妹のイヴァンカや弟のエリックと共にホテル事業を立ち上げて拡大した。ニューヨークやマイアミのホテルや、リオデジャネイロやインドネシアにおけるライセンシング案件も手がけてきた。

ジュニアはモデル業も務めるイヴァンカやタレント業もこなす父親とは違い、目立ちたいとは思わないようだ。「エンターテイメントへの進出は我々のビジネスにいい影響を与えていますが、我々の本業は不動産業です」と取材では語っている。

父が最初の妻でドナルド・ジュニアの母であるイヴァナと離婚し、女優マーラ・メイプルズとの交際が大々的に報じられた時期は、父親との関係は良くなかったと認めている。しかし、その後関係を修復できたようだ。ドナルド・ジュニアが出資したタイタン・アトラス社は2012年に倒産した。他の投資家と共にジュニアは個人的に同社のドイツ銀行に対する負債の保証人となったが、最終的には父親が2014年にローンを引き受ける形となった。

トランプとイヴァナの間に生まれた末っ子のエリックも、父親のビジネスと共に成長した。次期大統領は1996年、ワシントンポストを所有していたユージン・メイヤーからニューヨークにある200エーカー以上の不動産を買い取ると、2人の息子にリノベーションを任せた。

「芝刈り機に乗って芝生を整備したり、木や鉄筋を切ったり大理石を敷き詰めたり、電気系統を整備したりしました」とエリックは2014年にフォーブスに語っている。「父親から受けた、開発に関する初めてのレッスンでした」

2006年にトランプ・オーガナイゼーションに入ったエリックは、ゴルフ事業を担当してきた。父親がマイアミにあるゴルフリゾート「トランプナショナル・ドラル」を2012年に1億5,000万ドル(約172億円)で購入すると、その後3年に及ぶリノベーションを手掛けた。ほかにもアメリカにある10のゴルフクラブやレジャー事業のライセンシング契約などを担当している。

同じくトランプ・オーガナイゼーションに勤務するイヴァンカは夫のジャレッド・クシュナーと共にワシントンDCに転居する予定だ。夫婦の資産は少なくとも18億ドル(約2,059億円)と言われているが、イヴァンカだけでなく不動産開発企業クシュナー・カンパニーズのCEOである夫も、それぞれの役職を退任する予定だ。

大統領選では義父のために選挙戦のデータ収集・分析に関するオペレーションを統括したクシュナーは、ホワイトハウスの上級顧問に起用される。イヴァンカも大統領選挙で大きな存在感を発揮したが、まだ政府内の役職は与えられていない。