エル・ファニング(『ネオン・デーモン』より)
 - (C) 2016 Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch

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 映画『ドライヴ』などの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督が手掛けた『ネオン・デーモン』で主演を務めたエル・ファニングがインタビューに応じ、カンヌ国際映画祭で物議を醸した本作について、鋭い意見を述べた。

 ロサンゼルスのファッション業界を舞台に、美にとりつかれた女性たちの欲望を独特の映像美で描き出した本作。昨年のカンヌ国際映画祭で初上映されるや、拍手喝采とブーイングが入り交じるという事態が起きたことでも話題になった。

 そんな本作をエル自身はどのように捉えているのだろうか。「この映画をホラーと呼ぶ人もいるけど、必ずしも古典的なホラー映画というわけではないと思う。確かに血なまぐさいシーンもあるけど、それよりも何か心に訴えかけてくるような、心理的な作品だと感じたわ」。

 「それにとても現代的なテーマを扱っている。Instagramとか、ソーシャルメディアが普及したことで、人々は物質主義的になっているところがある。外見だけの美しさにとらわれがちというか、人々が頻繁にSNS(Social Networking Service)で写真を眺めているような光景を目にすると、私たちはとても気味の悪いデジタル社会に住んでいるんだなって感じたりする時がある。この作品にはそういう意味でのホラー要素が確かにあると思う。私たちの生きている世界がInstagramなどによってどのように変化しているのか、美が常に私たちを取り囲んでいるというか、美しくなくてはならないというプレッシャーや、美はこうあるべきという決まった考え方がさまざまな問題を引き起こしているということについても、この作品は描いていると思う」。

 これほどまで出演作を咀嚼(そしゃく)しているエルに、レフン監督をはじめ、J・J・エイブラムスやソフィア・コッポラとさまざまな監督からのラブコールが絶えないのも納得だ。子役としてのはじめこそ、女優ダコタ・ファニングの妹として認識されていたエルだが、いまとなっては18歳にして、素晴らしいキャリアを積んでいる。「私は今も家族と一緒に住んでいるから、いつも力強い女性たちに囲まれているの。お母さんや、おばあちゃん、そして言うまでもなくお姉ちゃん。お姉ちゃんのことは大好きだし、とても尊敬しているの。それに才能あふれる人たちと働ける機会にも恵まれてきた。一緒に働いた女優さんや監督たちが私のロールモデル」。世相に深く切り込んだかと思えば一変、無邪気な声でそう語るエルに、今後の活躍を期待せずにはいられない。(編集部・石神恵美子)

映画『ネオン・デーモン』は1月13日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開