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●進むワークスタイルの変革
PCは、スマートフォンやタブレットが普及した今でも、仕事の生産性を大きく左右するデバイスとして重要な存在だ。そして2017年には、仕事を取り巻く環境にも変化が予想される。果たしてPCはどのように変わっていくのだろうか。

○「ワークスタイル変革」が本格化へ

家電量販店に並ぶPCの中でひときわ目を引くのが、マイクロソフトの「Surface」に代表される2-in-1型のデバイスだ。ノートPCとしてもタブレットとしても使えるので2-in-1と呼ばれる。その一方で、現実のオフィスでは何年も変わらないデスクトップPCを使用し、ノートPCの持ち出しは禁止、あるいは面倒な手続きが必要という職場も少なくない。

だが、政府の推進する「働き方改革」や「ワークスタイル変革」といった動きにより変化も見えてきた。日本経済の大きな課題である長時間労働を見直し、過労死の防止や生産性向上に向けた取り組みが期待される中、仕事のやり方が大きく変わる可能性がある。

仕事のやり方が変わるならば、それに応じたPCも求められるはずだ。この国を挙げての取り組みにPC業界としても貢献しつつ、低迷するPC市場の活性化につながれば、一石二鳥というわけだ。

世界のPC市場でシェアNo.1の中国レノボは、ワークスタイル変革により長時間労働は過去のものになると予想する。オフィスに限定せず、「自宅」や「ふるさと」などでのフレキシブルな働き方を実現することこそ、未来型企業への道だという。

米デルもまた、5年から10年先を見据えた近未来の仕事環境「Future Ready Workforce」を提唱。在宅勤務などのリモートワークを可能とすることで、個々の労働者が最大限にパフォーマンスを発揮できるようになるとのビジョンを描く。

●ワークスタイル変革を後押しするもの
○最新CPU「第7世代Core」登場、PCはさらに薄く軽く

スマホやタブレットの普及により低迷が続くPC市場だが、今後の変化を見込んで新規参入するメーカーも現れた。基地局などインフラ事業で定評のある中国ファーウェイは、端末事業を拡大しており、2016年には初めてのWindows PC製品を発表。スマホで培ったノウハウを生かした「MateBook」を日本でも発売した。

PCを構成する個々の部品の進化も続いている。CPUとしてはインテルの最新「第7世代Coreプロセッサー」が登場。省電力性能が向上し、4K動画を容易に扱えるなどの性能向上を果たし、2017年1月に米ラスベガスで開催された見本市「CES 2017」には採用PCが多数並んだ。

PCの消費電力が下がることは、電気代が安くなるだけではない。PCの体積のうち大部分を占めるバッテリーや冷却用の部品を減らすことで、PCはさらに薄型軽量になる。さらに、うるさい冷却ファンを搭載しない「ファンレス」PCなら、静かなカフェや図書館でもPCを使いやすい。ワークスタイル変革にとっても不可欠な要素技術といえる。

○USB Type-C搭載機が急増、どこでも充電可能な世界に

あらゆる場所でPCを活用する上で、問題になるのが電源だ。最近では電源付きのカフェや図書館も増えてきたが、まだ十分とはいえない。スマホやタブレットのように手軽に充電できないことは、PCの大きな弱点でもあった。

そこで注目したいインターフェイスが「USB Type-C」だ。最近のノートPCでは、この新しいUSB規格を採用する製品が増えている。

USB Type-Cでは、急速充電規格として「USB Power Delivery」(USB PD)が標準化された。これに対応した製品なら、端子形状やメーカーの違いを超えてノートPCの電源アダプターを使い回せるようになる。

カフェや図書館、列車や飛行機などに広くUSB Type-Cが導入されれば、電源アダプターを持ち歩く必要がなくなるかもしれない。そんな世界が実現するまでにはまだ少し時間がかかりそうだが、CES 2017ではレノボやデル、HPなど多くのPCメーカーがUSB PDを採用し、方向性は定まった。あらゆる場所でPCを使えるようになる時代に向けて、確実に一歩を踏み出したといえる。

(山口健太)