古畑星夏

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 「高校生たちが一億円をかけて殺し合いをする」という設定だけで、ただのグロテスクで猟奇的な作品と判断してはいけない。映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』で主演を務めた古畑星夏は、「この作品を通して自殺だけはダメだよね、死ぬことはダメだよねっていうのを今の子たちに伝わればいいよねっていう話をしていたんです」と語る。

 『人狼ゲーム ラヴァーズ』は、突如1億円をかけた不条理な殺し合いに強制的に巻き込まれた高校生たちが、互いの正体を探り、殺す相手を決める『人狼ゲーム』シリーズの第5弾。過去のシリーズ作には、土屋太鳳や小島梨里杏などが出演しており、若手の登竜門のような存在ともなっている。それゆえに新作の出演者の団結力はプライベートでも仲良くなるほど強くなり、全員で今までの作品を超えるものにしたいという気持ちがあったという。

 しかしその撮影は過酷なもの。撮影は短期間で、殺戮ゲームの舞台となる撮影現場に泊まり込みぶっ続けで行われた。フィクションであっても殺人のシーンを撮った部屋に宿泊するのは気が滅入るもの。古畑は当時を振り返り「気持ち的に嫌じゃないですか」と笑うが、当時の気持ちは推し量れない。しかも「Going!Sports&News」のお天気キャスターを務めている彼女の今までの出演作は「ラーメン大好き小泉さん」「咲-Saki-」といった明るいもの。これまでとは全く毛色が違う本作で、心理戦を勝ち抜くために時には殺したくない相手も追い詰めるシーンにも挑んだ。そして自分の素の感情を押し殺さなければいけない、という彼女にとって未知だった体験を重ねていく中で、こらえきれずに涙が出てきてしまうこともあったそう。

 だが撮影中も目を背けずにやり通すことができたのは作品のため。究極な状態に陥った人間が犯してしまう行為を演じていく中で、綾部真弥監督と古畑たちはさまざまなことを話し合った。「限られた空間でいかにどうやって生きていくかというところがかっこいいんです。イヤなことも目を背けちゃいけないんだよというところは感じてもらいたい。人狼ゲームの世界を知って、わたしたちが生きている世界は本当に幸せだし、もっとがむしゃらに生きることができるんだぞって伝わればいいなと思います」と20歳の古畑は自分の思いを明かす。

 「いろんな殻を破って感情を爆発させることもできたと思うので、蘭子と一緒に成長できたんじゃないかなと思います」という古畑の2017年の抱負は「演技ももっともっと広げられたら」。「コメディーもやっていてすごく楽しいので、そちらでも伸ばしていければなって思います。全体的に幅のある女優になりたい」とのこと。劇中で凄惨な心理戦に挑むヒロイン高野蘭子を演じ切った彼女の今後が楽しみになる意気込みだった。(編集部・井本早紀)

映画『人狼ゲーム ラヴァーズ』は1月28日より全国公開