英国初の自ら公表したケース、男性が妊娠4か月(出典:http://www.mirror.co.uk)

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どこから見ても男性という姿で妊娠し世間を大きく騒がせたアメリカのトーマス・ビーティさんの話題は度々テックインサイトでもご紹介してきた。このほどイギリスに住む20歳の男性が現在妊娠4か月であることを英紙『Mirror』など複数のメディアが伝えている。イギリスでは2012年にも男性が妊娠したニュースが報じられていたが、今回は国内初の自ら公表したケースということだ。

英グロスタシャー州グロスターに暮らすヘイデン・クロスさん(20歳)は、女性として生まれたが3年前から男性として生活して来た。ホルモン治療をしている段階であり性転換手術は終了しておらず、子宮や卵巣などの女性器や乳房はそのままだ。

そんなヘイデンさんには「どうしても子供が欲しい」という願望があった。性転換手術を完了してしまえば生物学的に血の繫がった子供を持つことは困難になるため、自分の中に子宮が残っている間に妊娠したいと考えた。

昨年、ヘイデンさんはNHS(イギリス国営医療機関)に自分の卵子凍結を願い出た。それが叶えば、後に子供を持つことが可能だと思ったからだ。ところがNHSは4,000ポンド(約56万円)という高額な費用がかかるためにそれを拒否した。そこでヘイデンさんはFacebookで無料の精子提供者を見つけ、名前や素性も全く知らない男性の精子を使用することを試みた。

幸いにも一度の試みで成功し、現在は妊娠4か月だという。妊娠中はホルモン投与を中止しなければならないために、ヘイデンさんは体が女性に戻っていくことが不快で体と気持ちが生ずるギャップに葛藤しているそうだ。それでも子供が欲しいという気持ちが強かったために、その願いを叶えることができてハッピーだと複雑な心境を英紙『The Sun』に吐露している。

ヘイデンさんは無事に子供が産まれたら、乳房切除と子宮摘出を行う予定だという。産まれてくる子供のためにしばらくは恋人を作らないと決めており、子供のためにベストを尽くして子育てしたいと話している。

将来、ある程度子供が成長した時にありのままに起こったことを話すつもりだとヘイデンさんは言う。「僕はきっといい父親になると思っています」と次第に大きくなってくるお腹を抱えて複雑な心境を感じながらも、我が子の誕生が待ちきれない様子だ。

このヘイデンさんのニュースを知った人々の反応は様々だ。

「『男性が妊娠』って言ったって、女性器が残って妊娠しているんだから女性じゃないか。」
「仕事や将来性もなく、性同一性障害のシングルペアレントのもとに産まれる子供は気の毒だ。彼は間違った選択をしたのではないだろうか。」
「若くて無職の人が子供を持つことって悲しい。だって子供が産まれたらすぐに働かなきゃいけないし、シングルで生活に困れば生活保護支援を受けるんでしょう? トランスジェンダーとかそうでないとかに関わらず、子供がかわいそう。」

ヘイデンさんが言うように、現在もトランスジェンダーに対する偏見があることは否めない。自分が妊娠していると公表するにあたって、世間の不安もあったというヘイデンさんは「世間には『男になりたいにもかかわらず子供が欲しいなんて』という批判や偏見を持つ人もいます。でも妊娠することができて嬉しいし、自分と同じような生き方をしている人にも『ハッピーになることができるんだ』という励みを与えることができれば」と語っている。

なお2012年に報じられた“女性として産まれた男性が出産した英国初のケース”では、その男性(名前は明かされていない)は当時30代で、2011年に子宮機能を復活させるためのホルモン治療をした後に出産したという。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)