Doctors Me(ドクターズミー)- 闘病する子ども癒す“ファシリティドッグ” 医療現場で活躍する犬のお仕事とは?

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視覚障害者などのサポートをしてくれる盲導犬はみなさんご存知かもしれませんが、他にも医療現場で活躍する犬たちがいることを知っていますか?

日本ではまだあまり認知度は低いですが、「ファシリティドッグ」という病気に悩む子どもたちの心をケアしてくれる犬がいるそうなのです。

今回はファシリティドッグの概要、お仕事、そしてアメリカとの比較から今後の日本の課題点などを、獣医師に解説していただきました。

ファシリティドッグとは


アメリカのNPO団体CCIによると、ファシリティドッグとは「病院や保健機関、教育機関等の施設に常駐して、ファシリテーター(ハンドラー)と呼ばれる人と組んで仕事をするように専門的に訓練を受けた伴侶犬」と定義され、動物介在療法のひとつに区分されます。

日本には現在2頭のファシリティドッグが存在しますが、ファシリティドッグになるために必要な専門の訓練プログラムや環境が日本にはまだ存在しないため、これはアメリカで訓練を受けた犬を譲り受けたものです。

ファシリティドッグのお仕事


ファシリティドッグとのふれあいを通じて、ストレスや恐怖などにより抑圧状態にある人の心を癒し、精神状態を安定させることが重要な仕事です。

難病などの理由から長期入院・治療が必要な小児患者では特にファシリティドッグとのふれあいによる安らぎが治療効果を高めるものとして、特に注目されています。

ファシリティドッグによる効果


◎ファシリティドッグからのコミュニケーションを通じて無条件の愛を感じることで精神的な安定をもたらす

◎ファシリティドッグと遊んだり、相互コミュニケーションを取ることで精神的な活力を得る

◎ファシリティドッグの体をなでるなど、体温を感じることでリラックスし、安らぎを感じる

◎医療的なリハビリや精神医学上のトレーニングが必要な患者を援助する

アメリカのファシリティドッグ事情


アメリカでは、小児緩和ケア以外にも病院、保健・福祉施設、障害者スポーツの現場、特殊教育学校、法廷など、幅広い施設においてファシリティドッグが活躍しています。

一方日本でのファシリティドッグは、2010年に初めて小児医療での緩和ケアに導入され、現在までに2施設に2頭が存在しています。

日本のファシリティドッグにおける課題


受け入れ(導入)


これまで日本では病院内に犬をはじめとした動物を入れることは衛生上不潔という理由から避けられていました。特に小児緩和ケアの現場では重症患者が多いことから、ファシリティドッグの導入による感染症の発生を懸念する声が少なくありません。

しかし、これらは適切な対応により対処できるものであり、ファシリティドッグがもたらす効果も有益であると考えられます。

育成


ファシリティドッグの育成は難しく、適性がある犬の血統が管理されているだけでなく厳密な育成プログラムを行わなくてはいけません。日本でもこれらの環境が整うことが望まれます。

最後に獣医師から一言


ファシリティドッグはさまざまな場所で人間の精神的な健康の向上に活躍しています。

日本ではまだ認知度が低いですが、ファシリティドッグの尊い働きが広く知られ、必要な現場に普及することを願っています。

(監修:Doctors Me 獣医師)