マーティン・スコセッシ、シナトラ家族からの反対により伝記映画制作を断念

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マーティン・スコセッシはシナトラ伝記映画の構想を長きにわたって温めていたが、家族の反対によりその制作を断念した。「(シナトラの家族の)同意を取り付けることができない。協議を重ねたが、妥協点を見つけることができない」と、語った。

マーティン・スコセッシが、フランク・シナトラの自伝映画の制作を断念した。脚本は『フィールド・オブ・ドリームス』のフィル・アルデン・ロビンソンと、『ハンガー・ゲーム』のビリー・レイが何度も練り直しており、トロント・サン紙によればレオナルド・ディカプリオがシナトラ役を務める予定だったという。

「もうできない」、スコセッシはトロント・サン紙の取材にそう答えている。「もう完全に終わりだと思う。(シナトラの家族の)同意を取り付けることができない。協議を重ねたが、妥協点を見つけることができない」。

自身が監督を務めた新作『沈黙 ーサイレンスー』が米公開中のスコセッシ。シナトラの伝記映画についてはかつて、シナトラの良い部分も悪い部分も余すことなく映し出す映画にしたいと語っていた。そのグい部分イ箸いΔ里、シナトラの家族にとって問題だった。「描かれる人物の家族にとっては、許容できない部分というのはあるものだ。私もそのことは重々承知している」とスコセッシは語る。「しかし私に頼むからには、私のやり方でやらせてもらう他はない。問題は、シナトラが波乱万丈な人生を歩んだ男だったということだ。もちろん誰しも生きていれば様々なことが起こる。だがシナトラは別格だ」。

スコセッシがかつてショートリスト社の取材に対しこのように語っていたのを思い出す。「(シナトラの映画の脚本を)書くのは非常に難しい。彼はイタリア系アメリカ人のイメージを完全に変えた男だからね。もうひとつの難しい理由は、彼の政治的な関わりの部分だ。ケネディ家やマフィアとの関わりなどのね」。スコセッシは当時、映画の仕上がりはグッドフェローズとアビエイターを掛け合わせた感じになるだろうと語っていた。

「シナトラの生涯を通じたヒット曲を網羅することはできない。それを実現するために努力したが、ダメだった。だから今試しているもうひとつのやり方は、シナトラを人生の段階別に描く方法だ。つまり子供時代、青年時代、中年、そして老後というように。そして、それぞれの時代を行ったり来たりするように時間軸を交差させる・・・それも音楽を使って。とても手の込んだ手法だよ」。

スコセッシがシナトラの伝記映画の監督を務める契約にサインしたのは2009年。当時の声明で、スコセッシの娘ティナ・シナトラは「父は自分が選んだスタッフや俳優たちに対し最大限の敬意を払い、スタッフや俳優たちもまた父に対し大きな敬意を払っていました。そしてマーティン・スコセッシがシナトラの伝記映画の指揮をとる中で、このことが続いていくのは私にとって非常に喜ばしいことです」と述べていた。