『ジギー・スターダスト』 (C)Jones/Tintoretto Entertainment Co.,LLC 

写真拡大

【映画を聴く】『ジギー・スターダスト』/前編
絶頂期のライヴを記録した歴史的パフォーマンス

2016年1月8日、69回目の誕生日にニュー・アルバム『★(Blackstar)』をリリース。そしてその2日後、あまりにも突然の死が報じられたデヴィッド・ボウイ。生誕70周年にして一周忌というタイミングだけに、日本でも彼の足跡を辿る大回顧展「DAVID BOWIE is」が開催中のほか(東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルにて4月9日まで)、さまざまな企画や刊行物、音源のリリースが続いている。

圧倒的な存在感! デヴィッド・ボウイ絶頂期の妖しい魅力が炸裂

今回紹介するドキュメンタリー映画『ジギー・スターダスト』の再上映も、その回顧モードの一環と言っていいだろう。1972年2月から翌年7月にかけてイギリス、アメリカ、日本を巡ったツアーの最終日、7月3日のロンドンのハマースミス・オデオン劇場での最終公演を収録した作品で、劇場版は74年に60分版が、79年に90分の全長版が公開。84年にVHS/ベータでビデオ化されるとともにサウンドトラックもリリースされ、現在はDVDでも見ることができるが、日本で劇場公開されるのは1999年以来18年ぶりだという。監督はボブ・ディランのドキュメンタリー『ドント・ルック・バック』などで知られるドン・アラン・ペネベイカーが担当している。

1972年から73年にかけてのボウイといえば、アルバム『ジギー・スターダスト』『アラジン・セイン』『ピンナップス』を立て続けにリリースし、その人気が急速に高まっていた時期。“出火吐暴威”の筆文字をあしらった山本寛斎デザインのジャンプスーツや顔に稲妻をあしらった『アラジン・セイン』のジャケットなど、グラム・ロックの象徴として、彼のパブリック・イメージとして現在も持ち出されるヴィジュアルの多くはこの時代のものだ。

1年半におよぶツアーの最終日ということで、ミック・ロンソンらを擁するバックバンド、スパイダーズ・フロム・マーズの演奏とボウイの一体感は頂点に達している。『ジギー・スターダスト』『アラジン・セイン』の楽曲を中心に、代表曲を網羅したセットリストを抑揚たっぷりに披露する。ミック・ロンソンとボウイの性別を超越した妖しい絡みに狂喜する女性ファンの金切り声は、当時の彼のアイドル的な人気を物語っている(後編へ続く…)。

後編「ブリティッシュ・ロック史上、最もドラマティックな瞬間を記録」へ続く…