<昨年末に韓国釜山の日本総領事館前に「平和の少女像」が設置された問題は、日韓両政府の温度差が指摘されていたが、13日午後、ユン・ビョンセ外交部長官が「国際的に見て望ましくない」と発言、事態の収拾に向けた動きが見えてきた>

 昨年12月28日、釜山の市民団体が、釜山の日本領事館前に慰安婦問題の象徴ともいえる少女像を突然設置した。日韓両国政府による慰安婦問題についての合意が発表されてからちょうど1年というタイミングを見計らった行動で、設置場所となった釜山市東区の行政側が警察に対応を要請。市民団体のメンバーが公務執行妨害で連携され、少女像は強制撤去された。だが、世論がこれに猛反対し行政に批判が殺到したため、釜山市東区側は30日に少女像を返却して「市民団体が設置するのを妨げない」と設置を認めた。

 日本政府は、これに対して菅官房長官が連日遺憾の意を表明するなどして、韓国側の対応を求めていたが、弾劾決議を受けて職務停止状態の朴槿惠政権はなんらの対応を打ち出せない状態が続き、6日には日本が駐韓大使一時帰国など対抗措置を実施し、韓国政府への善処を求めていた。

 YTNなど韓国メディアが一斉に報じたところでは、13日、韓国外交部のユン・ビョンセ長官は、韓国国会内の外交統一委員会に出席し、「外交公館前に造形物を設置するのは、国際関係の面から望ましくないというのが国際社会の一般的な認識だ」と発言。これまで「該当の自治体、市民団体などが適切な場所について知恵を集められるよう期待する」と、あくまで自治体の問題として政府が関与しない態度から一歩踏み込んだ発言をした。また、ユン長官は「政府は慰安婦少女像の設置に反対していないが、外交公館前に設置するのは国際慣行に合わず、対外的に説得するのは困難がある。場所の問題は知恵を集める必要がある」と説明した。


ユン・ビョンセ韓国外交部長官の国会での発言 YTN / Youtube

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部