<アメリカの機密情報を内部告発して現在ロシアに亡命中のスノーデンだが、親ロシアのトランプ政権になれば立場が危うくなるという見方が出ている>(写真:昨年11月、ブエノスアイレスで開催されたイベントにビデオ通信で参加するスノーデン)

 1月20日、アメリカではドナルド・トランプ新大統領が誕生する。

 トランプの政権移行チームは次々と閣僚を指名して新政権発足に向けた準備をすすめている。アメリカでは、要職に指名された人たちは議会の承認を得るために公聴会をクリアする必要がある。

 今週12日、注目の公聴会が開かれた。次期CIA(米中央情報局)長官に指名された、マイク・ポンペオ下院議員の公聴会だ。ロシアのハッキング問題やIS(いわゆる「イスラム国」)の問題など様々な問題が取り上げられたが、なかでも注目されたのは、元CIA職員で元NSA(米国家安全保障局)の契約職員でもあったエドワード・スノーデンへの言及だ。

 言うまでもないが、スノーデンといえば、米政府による大規模監視プログラムやサイバー作戦などの機密情報を内部告発した人物で、現在は米政府に訴追されたまま亡命先のロシアで暮らしている。

 ポンペオは、「ロシアの隠れ家でくつろぎながら、諜報活動について米国民を欺くエドワード・スノーデン」は情報暴露の責任から逃れられないと述べた。

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 実は、昨年11月に共和党のトランプが大統領戦で勝利してから、欧米メディアでは、スノーデンの処遇についてあらためてスポットライトが当たっている。というのも、トランプ陣営からはポンペオのようにスノーデンの厳罰を求める発言が出ており、現在ロシア政府の庇護のもとにあるスノーデンは、親ロシアのトランプ政権が誕生することで立場が危うくなるのではないかとの見方があるからだ。

 トランプ次期大統領は、2013年にスノーデンついてコメントしている。米FOXニュースの番組で、「彼はとんでもない裏切り者だと思うね。強国なら、古き良き時代にどうしていたと思う? 裏切り者がどんな目にあったのか、知っているだろ?」と語っている。

 12日に指名承認のための議会公聴会に臨んだポンペオ次期CIA長官は、もともとスノーデンを目の敵にしている人物として知られている。ポンペオはかつて、スノーデンが機密情報を外国政府に渡していることも示唆していた。また昨年2月、ポンペオは米テレビ局「C-Span」のインタビュー番組に登場して、こんなコメントをしている。「彼(スノーデン)はロシアから連れ戻されて適正な法の手続きを受ける必要がある。私が思うに、彼は死刑の判決を受けるのがふさわしいだろう」

山田敏弘(ジャーナリスト)