フェイスブック、偽ニュース排除に向け「メディア業界と連携」強化

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フェイスブックは1月11日、「フェイスブック・ジャーナリズムプロジェクト(Facebook Journalism Project)」を立ち上げ、ニュース業界と協力してジャーナリズムの質を高めていくことを明らかにした。今後はジャーナリストたちと連携して記事を配信する新ツールを開発するほか、メディア関係者向けのトレーニングも行ない、ユーザーのニュースリテラシーの向上を図る動きも進めていく。

「ユーザーが安心してニュースを共有できるようにする上で、我々にはジャーナリズムの健全化に取り組む責任があります。今後はジャーナリストたちとより良いパートナー関係を築き、パブリッシャーらと協力し、ユーザーのニュースリテラシー向上に取り組んでいきます」とフェイスブックのプロダクトディレクターであるFidji Simoはブログの中で述べている。

今後は、ニュース関連の新たなビジネスモデルの構築やメディア企業のエンジニアが参加するハッカソンの開催なども予想される。また、フェイスブックは定期的に出版業界とコミュニケーションを行う「リスニング・ツアー」を世界中で実施するとしている。

ジャーナリスト向けトレーニングとしては、ジャーナリスト養成機関の「Poynter」と協力して今後数か月以内に検定プログラムを立ち上げ、フェイスブック機能に関するオンラインコースを9か国語に翻訳して提供する予定だ。また、1月11日よりFBページの管理者が特定のジャーナリストにライブ実況を行う権限を付与できる仕組みも公開された。

フェイスブックは、約80社のパブリッシャーからなる「ファースト・ドラフト・パートナー・ネットワーク(First Draft Partner Network)」への関与を深め、ソーシャルプラットフォーム上で配信される虚偽ニュースの監視体制を強化するとしている。

ユーザーのリテラシー向上策としては「ニュース・リテラシー・プロジェクト(News Literacy Project)」と協力し、虚偽ニュースへの注意を喚起する広告を配信する。長期的には教育者や研究者、ジャーナリストらと協力して、パブリッシャー自身が読者のリテラシーを高める活動をサポートしていくという。「我々の取組みはまだ始まったばかりで、やることは山積している」とSimoは話す。

元TVキャスターが改革を主導

プロジェクトの一部を指揮するのは、CNNのニュース番組などでキャスターを務めた元テレビジャーナリストのキャンベル・ブラウン(Campbell Brown)だ。彼女は新設されたニュース・パートナーシップ部門の責任者としてフェイスブックに入社し「これまでの経験を活かしてジャーナリストとの関係強化を図りたい」と述べている。

フェイスブックは企業に必要不可欠なプラットフォームとなっている一方で、パブリッシャーの多くは企業の広告予算の大部分をグーグルやフェイスブックに奪われ、苦戦を強いられている。フェイスブックのメディアとしての存在感が増す中、昨年11月の米大統領選挙では虚偽のニュースが拡散され、選挙結果に影響を及ぼしたとの批判も高まっている。

当初、マーク・ザッカーバーグCEOはこの問題に対して慎重な姿勢を見せていたが、批判の高まりを受けて対策を矢継ぎ早に発表した。12月中旬には、複数のユーザーが虚偽のニュースであると報告したコンテンツについて、第三者機関を使って真偽の確認を行い、虚偽であることが判明した場合は「Disputed(真偽を問われている)」という表示とともに、第三者機関による説明を掲載することを公表した。

フェイスブックは、虚偽のニュースを配信する勢力の排除にも取り組んでいる。スパム業者の多くは正規のニュースメディアを装っているため、今後はドメインのなりすましをできなくする。また、フェイスブックはパブリッシャーのサイトも確認し、コンテンツが本当にスパムか精査をするという。

ピュー研究所の調査によると、アメリカ人の半数近くがフェイスブックを主な情報源として利用しており、そのメディアとしての影響力は極めて大きい。フェイスブックの月間ユーザー数は20億人に達し、その影響力は全世界に拡大し続けている。