連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第15週「さくら」第83回 1月12日(木)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


83話はこんな話


よくできた子のさくら(井頭愛海)と健太郎(古川雄輝)に比べ、やんちゃで、両親(百田夏菜子、田中要次)を心配させる龍一(森永悠希)が、さくらたちをジャズ喫茶に連れて行くと、そこには未知の世界が広がっていた。

すっかり違う話に


幼い頃は同年代の子供たちと足並みを揃えることができず、どうなることかと不安にさせた龍一だったが、
16歳に成長したいま、足並みは相変わらず揃えられないものの、それが、枠にとらわれない自由な発想というプラスなほうに働いているようだ。

サングラスにアロハシャツにテニスラケットとお調子者の龍一、深窓のご令嬢だが少し進歩的な面もあるさくら、おばちゃん受けのいい真面目で頭のいいお坊ちゃん・健太郎。日当たりのいいお嬢様然とした洋間で、ちょこんとベッドに座ったさくらを中心にした龍一と健太郎、この幼馴染の3人のキャラ構成に安定感がある。

龍一が案内したジャズ喫茶・ヨーソロー。薄暗がりの店内には、ミステリアスなママ・大村すず(江波杏子)、かっこいいドラマーの河合二郎(林遣都)、大人びた少女・山本五月(久保田紗友)など、さくらの周囲にはいなかったような人たちばかり。

神戸、ジャズ・・・というと新作が2月24日に発売されると発表されたばかりの村上春樹が思い浮かぶ。「ノルウェイの森」みたいな感じになっちゃう? なんて思ったけれど、二郎の演奏に夢中になるさくらをちらっと見る健太郎の完璧な三角関係シチュエーションを見て、龍ちゃんはレースに参加できなさそう。
この時代(昭和35年)は「大人は判ってくれない」「勝手にしやがれ」「太陽がいっぱい」「甘い生活」「アパートの鍵貸します」「若者のすべて」など名作洋画がたくさん公開されている。名画のように若者の青春群像を素敵に描いてほしい。すみれの時代は決められた人との結婚や戦争などで行動が制限されていて、あまり青春感はないが、そういうところから解放された子供たち世代には青春がある。もっとも、子供達の青春にスポットを当てすぎると「べっぴんさん 第二形態」みたいになっちゃいそう。すでに83話は第二形態化していた気がするが、細かく考えると、キアリス編が「第二形態」で、キアリス法人化編が「第三形態」、そして、今回が「第四形態」なのかも。

きょうのチェック


真ん中分けストレートロングの少女・山本五月を演じている久保田紗友が美少女。原田知世と斎藤工のラブストーリー「運命に似た、恋」(16年 NHK)で知世ちゃんの息子のストーカー・カメ子を演じていた子だった。「花とアリス」の鈴木杏を彷彿とさせる挙動不審過ぎる動きでコメディーの才能も感じさせた逸材。今回はカメ子とはまったくの違う落ち着いた美少女としての活躍に期待!
「木俣冬)