天皇陛下の希望していた生前退位が現実味を帯びてきた。読売新聞などが報じたところによると、政府は、2019年に皇太子さまが新しい天皇に即位し、それと同時に元号を改めることを検討しているという。平成は30年で終わり、ということになる。

改元をめぐっては、昭和から平成に移行する際も大きな混乱があった。今回は改元の半年前に新しい元号を公表する予定だというが、ネット界隈ではそもそも問題の多い元号表記を続けるのかという意見が相次いでいる。

「西暦が嫌だっていうなら皇紀だってかまわない」という意見も

経済評論家の池田信夫氏は1月10日、「もう元号を使うのはやめよう」と題された記事をアゴラに投稿した。

官庁の統計データは、元号が使われておりわかりにくい。マスコミでは、NHKと産経新聞が元号を使っているが、海外ニュースでは西暦となっている。国内と海外の事件を一つのニュースで伝える場合には原則がなく、混乱を招きかねない。そのため「新たに元号を定めるのはかまわないが、官庁のデータは必ず西暦を併記し、NHKはすべて西暦で統一すべきだ」と訴えた。

ブロガーでプログラマーの小飼弾氏も、「これを機に元号と印鑑は廃止の方向で」と元号廃止を提唱した。「西暦が嫌だっていうなら皇紀だってかまわない」ともツイートしている。

皇紀は、明治5年に日本書紀に基づいて制定された暦だ。2017年は皇紀2677年にあたる。元号は天皇が交代したりするたびに変更され、その都度年数がリセットされるという問題点があるが、皇紀には連続性がある。

これなら日本の文化を尊重したいという人にも受け入れてもらえるだろう。しかし皇紀を使うとしても、皇紀と西暦の換算は相変わらずややこしい。

中国では辛亥革命で元号廃止、サウジアラビアでもヒジュラ歴から西暦へ移行する動き

ネット上では、西暦表記への統一を求める声が上がる一方、やはり長年使われてきただけに、早急な廃止には反対だとする人も少なくない。

「元号は大切、ずっとあるものだし、(中略)わざわざグローバルスタンダードにあわせて、なくしてしまう必要はないと思うし、なんだかもったいない気がする」 「元号の歴史的な重みの観点で言えば反対ですね」

武庫川女子大学教授の佐藤幸治氏の著書『文化としての暦』によると、元号はもともと中国で生まれたが、その中国では1911年の辛亥革命で廃止され、その後成立した中華人民共和国では西暦のみが公用化された。現在、元号という古代中国の遺産を継承しているのは日本だけだという。

また、海外ではイスラム教に基づいた「ヒジュラ暦」を使っている国もある。しかし近年、ヒジュラ歴を使用していたサウジアラビアでも西暦への移行を進めているという。

元号の完全廃止は日本人の心情的には受け入れづらいが、公文書や統計は利便性のために西暦で統一し、元号は文化的なシーンで使用する、といった具合にすみ分けがされてもいい頃合いではないだろうか。

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