今や、世界中に6億超ものユーザーを有する大人気アプリ「Instagram(以下、インスタ)」。その中で、自らの感動体験を、日々フォロワーに伝え続けるインスタグラマーは、まさに時代のアイコン的な存在。企業やブランドも注目するインフルエンサーたちの、気になるリアルライフとは? 今回は、若い女性に支持を得る、人気インスタグラマーのSAKIEさん(25) の素顔に迫ります。

--そもそも、インスタを始めたのはいつ頃ですか?

私がインスタデビューしたのは、2011年11月5日のこと。当時、大学の友達が「ビヨンセとか、海外セレブの私生活を画像で見ることができる面白いアプリがあるよ!」と教えてくれて、ダウンロードして見始めました。それまで遠い存在だと思っていた、憧れのスターたちのライフスタイルを身近に感じることができる画期的なアプリだと思いましたね。

インスタを始めたときから、おしゃれな画像にはこだわっていました。

ちなみに、私の記念すべき初投稿はハワイにあるマサラダ屋さんの看板なんです。ファション、グルメ、風景…これから先、何をテーマに投稿をしていくかなど、具体的な方向性はまだ見えていませんでしたが、ひとつだけ最初からはっきりとしていたことが。それは、インスタには、おしゃれでかっこいい雰囲気のスナップをアップしていくという画像のクオリティへのこだわりでした。

--フォロワーが急激に増え始めたきっかけは?

2013年頃のこと、「Ron Herman(ロン・ハーマン)」をはじめ、海外のサーフ系ライフスタイルブランドが日本で大ブームになった時期がありました。その頃、私はハワイにショートステイをしている最中で、もともとサーフ系ブランドが好きだったということもあり、現地でゲットしたそれらのアイテムを、ブランド名や「#ハワイ」というハッシュタグとともにインスタにアップしていたんです。それをユーザーさんが見つけ、「いいね」をくれるようになり、そこからフォロワーが一気に数千人に増えました。

街を歩いていると声をかけられるようになったり、以前から日記的に綴っていたブログをインスタのフォロワーさんが見つけて「ファンです!」とメッセージをくれたりと、生活にも変化が出始め、インスタの影響力にびっくりしました。

--「インスタグラマー SAKIE」の誕生ですね! そこから、他のインスタグラマーとの立ち位置の差別化や自分のブランディングなど、何か心がけたことはありますか?

このままでは埋もれてしまう…。「私らしさ」を押し出すために、インスタのイメチェンを決意!

当時、世の中はサーフブームの真っ只中。私も金髪&ロン毛のギャル系で、今よりもかなりはじけた雰囲気でした(苦笑)。当然、インスタでも彩度バリバリの、明るくてポップな画像に人気が集まる傾向があり、気づけば、まわりのインスタグラマーたちと似通った投稿が続いていて…このままでは埋もれてしまうと感じ、悩んだ末に思い切ってインスタのイメチェンを試みたんです。

突然の路線変更に、一時はフォロワー数が激減。

それは、今のようなシックな雰囲気の画像へと、投稿スタイルを切り替えることでした。もともと、海外のモード系ファッション誌が大好きで愛読していたこともあり、おしゃれで品のあるスタイルに長年憧れていたので、私自身は大人っぽくセンスアップができたと満足していたんです。…ただ、当然のことながら、突然の路線変更にフォロワーさんの中には「前のほうが好きでした」と戸惑いを感じて離れてしまう方も…。一時はフォロワーが激減し、その間、同時期に人気が出たインスタグラマーたちは、どんどんフォロワー数を増やし、気づけば何万人という差ができていました。

--悩み抜いた末に、自分らしいスタイルを貫く決め手となったものとは?

「自分の好きなことをやって暮らしたほうがいいよ」。ハワイで得た生きるヒントが自信を与えてくれました。

これからの方向性について年上の知人に相談したときに、「自分がスタイルを変えると決めたのなら、今はひたすらに我慢する時期だと思う。新しいチャンレジだと思ってがんばって!」と言われて、少し気持ちが軽くなりました。

ふと同時に、ハワイでショートステイをしているときに出会った人たちがくれた、あるアドバイスを思い出したんです。ハワイでは、他人に流されることなく、自分のスタイルでのんびりと暮らしている人がとても多く、みんなと話している中で、「自分の好きなように暮らしたほうがいいよ」という生きるヒントを教わっていました。思えば、この言葉が、自分らしいスタイルを貫く決意を後押ししてくれたような気がします。

自分がまだ知らない価値観に気づかせてくれる人との出会いは、これからも大事にしていきたいですね。

--社会人を辞め、インスタグラマーとして生きる決断をしたのもその時期ですか?

仕事を辞めても、インスタだけでやっていける! 変な自信がありました(笑)

そうですね。新卒から神戸で働いていたのですが、仕事を辞めて実家のある東京に戻ってきました。かなり大胆な決断に思えるかもしれませんが、以前からサーフ系のブランドにインスタのPR業でお誘いを受けていたこともあり、「インスタでやっていける!」と変な自信があったんです(笑)。

--今にして思えば、その直感は正解でしたね。これは気になる方も多いと思うのですが、インスタグラマーとしてどのように収入を得ているのですか?

メインとしては、企業やブランドのサービス・アイテムをインスタ上で紹介するインフルエンサー(PR)のお仕事があります。ファッション、美容、フード、旅など、さまざまなジャンルで、アイテムの魅力をユーザーのみなさんにお伝えするお手伝いをさせていただいています。その他、個人的にやっているブログやウェブショップからも収入があります。

--現在では、3万人のフォロワーをもち、特に同世代の若い女性からは支持を得ている人気インスタグラマーですが、どんなことに喜びや苦悩を感じますか?

素の自分と「インスタグラマー SAKIE」との間にあるギャップを埋めたい…。

やはり、フォロワーさんが「SAKIEさんのインスタを見ていると明るい気持ちになります」といったハッピーなメッセージをくれたり、街で声をかけてくれたりと、インスタを通してみなさんとコミュニケーションが取れるのはとても嬉しいです!

一方で、私は投稿している画像の雰囲気などから、クールでとっつきにくい人物だと思われることが多いらしく、実際に会った方からは「とても気さくで明るい方なんですね」「インスタと印象が全然違う!」なんて言われることも。インスタはあくまで作られたイメージの世界ですから、みなさんの中で、実際の私の印象と差異が生じるのは仕方のないことだと思いますが、素の自分とインスタグラマーのSAKIEとの間にあるギャップにはよく悩みますね(みんな私と一度会ってくれればいいのに!笑)。ですから、フォロワーさんとは、なるべくコメントのやりとりをするようにして、そのギャップを埋める努力を続けていきたいと思っています。

--SAKIEさんが考える、インスタグラムの楽しみ方を教えてください!

まずは実体験で楽しむべし! 

私はインスタグラマーなので、スマホばかりいじっていると思われがちなのですが、人と一緒にいるときはスマホをほとんど見ないし(これは自分の中で決めたマナー・ルールでもあります)、もし外でヒマな時間ができたら、スマホよりもまわりの風景を眺めていることのほうが多いくらいです。やはり、自分で見聞きした実体験こそが一番大事だと思うし、そこから感じとったことが、インスタの世界をもっと輝かせてくれると信じているから。だから、みんなにも、もっとリアルライフを楽しんでほしいし、その体験をインスタでどんどん伝えてほしい。

そうした投稿が、せまい世界観の中に閉じこもりがちだと言われる人たちに届いて、みんなが外へと飛び出し、広い世界を知るきっかけに繋がれば! 私はインスタを通じて、そういうパワーを届けたいと思っています。

--これから目指していることは何ですか?

2017年はインスタグラマーの一歩先へ!

2016年は「インスタグラマー」という肩書きでやってきましたが、2017年はそこから一歩先を目指したいと考えています。今、頭に描いているのは、インスタのコンサルみたいなお仕事。企業やブランドの方と話していると、「商品PRのツールとしてインスタが重要なことはわかっているけど、有効に活用する術がわからない」という声が多く聞かれます。せっかくの素敵なアイテムを、インスタであればもっとおしゃれに紹介できるのにもったいない! と思うこともよくあるので、そのためのアドバイスや運用代行みたいな役割を担ってみたいですね。

個人的な目標としては、画像だけではなく、テキストできちんと思いを伝えること。コラムの執筆も頑張りたいし、ずっと続けているブログもさらに力を入れていきたいと思っています。

--最後に、同世代のコスモ読者にメッセージをお願いします!

「いつか」ではなく「今」! 気持ちの鮮度を大事に、早めにチャンレジしてほしいです。

今、やりたいことや興味のあることがあれば、その気持ちの鮮度を大事に、早めにチャレンジしてほしいと思います。一度きりの人生、タイミングはすごく大事だと思うから。そうした実体験の中から、今しか感じられないものをいっぱい取り入れて、自分らしくハッピーに毎日を過ごしてほしいと思います!