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筆者は絡み上戸です。

父もお酒が好きで、会社員ながら出社前に一升瓶をカラにするツワモノでした。父は飲めば飲むほど寡黙になるタイプ。一方、その遺伝子を継いでいるはずの筆者は……絡み酒です。ゲラゲラ笑いながら、クライアント相手だろうが誰彼構わず絡みます。

そんなわけで、ある程度の年齢になってからは深酒はしないようにしています。が、飲んでいると「私はまだまだ大丈夫!」という根拠のない万能感に支配され、飲みすぎることもないとはいえません。そうでなくてもフリーライターという不安定な職業。このままクライアントに絡み続けては、仕事を失いかねないでしょう。

そんな筆者のような「お酒に飲まれる」人間の救世主になりそうな製品が、昨年登場しました。学習型アルコールガジェット「TISPY」です。

○シンプルなデザインなのに高機能

さてこのTISPY。ぷーっと息を吹きかけると、呼気のアルコール濃度を測ってくれるという製品です。いままでも息を吹きかけると「レベル1〜レベル5」のようにおおよそのアルコール度数を表示するガジェットはありました。ですが、こちらはさらに高性能で、スマートフォンとの連携もできます。しかも「学習型」とあるように「ユーザーが酔うアルコール濃度」を徐々に学習して「よい調子」「あと一杯」「水を一杯飲んで」「もうやめましょう」などのアドバイスまでしてくれます。

使い方は簡単で、飲む前に「記録スタート」ボタンで記録開始。あとは適当にフーフー息を吹きかけるだけです。30分ごとにアラームを鳴らすこともできますが、筆者は一杯飲み終わるたびにチェック。「もう一杯飲んでも大丈夫かな?」とTISPYと相談するスタイルで飲んでいます。

この方法でTISPYを使っていると、ハメを外すことは皆無! とはいえ、酔っぱらわなかった原因が「適度なアルコール量」だったためか、「定期的にチェックしなきゃ! 」という緊張感があったためかは不明です。ひょっとしたら、両方がうまく作用したのかもしれません。

あと、ちょっと面白いと感じたのが「酔い冷めタイマー」機能です。これは、飲み終わると「酔いがさめるまでの時間」をカウントダウンしてくれるという機能です。飲み終わったあとに「あと4:56」のように酔いがさめるまでの時間が表示されるので、「じゃあ、あと4時間寝てそこから仕事をしよう」といった計画が立てやすいのは良いですね。ただし、TISPYは「車の運転が可能か」をチェックする用途には使用できません。この点には注意が必要です。万が一のとき責任はとれない、という理由なんでしょうね。

○データ参照などの使いにくさはどうにかして!

ちなみに本体のみだと、呼気のアルコール濃度や、今の濃度に対する一言アドバイス程度しか確認できません。ですが、スマートフォンでアクセスすることで、過去に飲んだ時のデータや、酔っている状況のグラフなんかもチェックできます(SDカードにFlashAir使用時のみ)。これが結構、眺めているだけでも面白い!

スマートフォンでデータを見るには、まずTISPYを起動して、なおかつWi-Fiモードをオンにする必要があります。スマートフォンがTISPY内のindexデータを参照するためです。ただ、個人的にはこの仕様が非常に使いづらい。通勤中などに、ふと過去のデータをチェックしたくなっても、「TISPYを立ち上げる」「TISPYをWi-Fiモードにする」「スマートフォンでTISPYにアクセス」という一連の作業が必要になるのです。ちょっと昨日の「酔い度」をチェックしたいだけなのに、必要な作業が多すぎる……。このあたりは、今後専用アプリの導入などで、データの参照をもっと手軽にさせてほしいと思います。

使いにくい点もあるとはいえ、使った感想は「面白かった! 」の一言。しかも本製品は「学習型」とあるように、飲んだ翌日に自分の体調を入力する機能も搭載。酒に弱い人なら少量でも「飲みすぎ」と表示されるようになります。飲み会にもっていけば、共通の話題がない人との話題づくりにもなりますし、「酒で失敗したことがある」「飲み会が多い」という人は試す価値があると思います。

ちなみに、個人的に一番気になったのは、本気で酔っぱらったときにTISPYの存在を思い出せるか? という点です。これについては「各自頑張りましょう」としか言えません。

(倉本春)