By Rich Grundy

アメリカの図書館では長期間借りられていない本を検出して、本棚から取り除くようにリストアップする専用のシステムが使われています。検出された本の代わりに別の本を入れられるようにするためのシステムなのですが、フロリダ州の図書館員が架空の人物を作成して「人気がないものの長期的に必要な本」を借りさせることで、アルゴリズムの追跡を回避していたことが発覚し、「違法行為の疑いがある」としてフロリダ州当局の調査が行なわれています。

To save books, librarians create fake 'reader' to check out titles - Orlando Sentinel

http://www.orlandosentinel.com/news/lake/os-chuck-finley-lake-library-fake-reader-20161227-story.html

Librarians in Florida went rogue to save 2,361 books from an algorithm - Quartz

https://qz.com/877961/librarians-in-florida-went-rogue-to-save-2361-books-from-an-algorithm/



フロリダ州・オーランドのイースト・レイク図書館で副館長を務めていたジョージ・ドレ氏は、図書の貸し出し履歴を偽装するため、「Charles Finley」という架空の利用者を登録したことが判明しています。利用者情報の欄には架空の住所や運転免許証まで登録されており、9カ月間で2300冊以上もの本を借りた履歴が残されていました。履歴にあったのはジョン・スタインベックの「キャナリー・ロウ」などで、実際には借りられていない本がアルゴリズムに検出されず、2015年からイースト・レイク図書館の貸出率を3.9%増加させていたとのこと。

9カ月にわたって「読書マラソン」が続けられた結果、Charles Finleyが1時間以内に本を借りては返却するという常人離れした速読者であったことや、匿名の通報があったことから、「架空の人物が本を借りている」という事態が発覚。ドレ氏は図書館で勤務する中で、システムにリストアップされて除去された本が、しばらくして買い戻しになるという事態を何度も見ており、「図書館の予算と時間を長期的に節約したかった」と話しています。



By Abhi Sharma

監査官によるドレ氏の調査が進められていますが、「偽の公的記録の作成に相当する」と記されており、公文書偽造の疑いがかけられています。ドレ氏は調査の結果が出るまで休職を勧められ、現在は図書館に勤務していないそうです。なお、レイク郡にある9つの公立図書館は、年間合計で100万ドル(約1億1500万円)の予算が貸出率に応じて分配されているため、もし同様の行為がほかの図書館でも行なわれていれば、不正に予算がつり上げられることにつながるため、当局の捜査はレイク郡の全図書館に広がって行なわれています。

イースト・レイク図書館は予算が分配される9つの図書館に含まれていないため、ドレ氏の行為は金銭目的ではなく、あくまで自らが勤務する図書館のためだったと考えられています。ドレ氏は捜査官に対して「ダミーカードを使ったシステムへの対抗はほかの図書館でも一般的で、多くの図書館が予算戦争のせいで反感を抱いています」と語っているとのこと。