英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルがこのほどまとめた、昨年9〜11月期におけるスマートフォン世界販売統計によると、米アップルの「iPhone」は、前期(8〜10月)に続き販売台数を伸ばし、世界のほとんどの地域でシェアが上昇した。

日米欧豪でiPhoneのシェア拡大

 OS(基本ソフト)別販売統計でアップルの「iOS」のシェアが最も高かったのは日本の57%で、これに英国(48.3%)、オーストラリア(46.4%)、米国(43.5%)と続いた。

 iOSのシェアはこれらの国でいずれも1年前から上昇しており、昨年9月に発売した「iPhone 7」シリーズがアップルのシェア拡大につながったとカンター・ワールドパネルはリポートしている。

米国では上位3機種がすべてiPhoneに

 このうち、米国におけるiOSのシェアは、1年前の37.1%から6.4ポイント上昇。この期間の米国における機種別販売ランキングでは「iPhone 7」「同7 Plus」「同6s」が上位3機種に入り、これら3モデルの合計シェアが31.3%となった。

 そしてこのあと、韓国サムスン電子の「Galaxy S7」と「同S7 edge」がそれぞれ4位と5位で続き、サムスンの米国におけるシェアは28.9%だった。

 一方、米国では米グーグルが無償提供する「Android」のシェアが55.3%となり、1年前から5.1ポイント低下した。カンター・ワールドパネルによるとAndroidの米国におけるシェアはこれで6期連続して低下した。

 ただし、グーグルが10月初旬に発表した新型Androidスマートフォン「Pixel」は1.3%のシェアを得ており、好調なスタートを切ったという。

iOS、中国でシェア低下、ただしiPhone 7は健闘

 世界では多くの国でAndroidが7割以上のシェアを占めており、同OSは依然スマートフォンOS市場を支配している。

 例えば、中国の昨年9〜11月におけるAndroidのシェアは1年前から7.2ポイント上昇して79.9%に、iOSは同5.4ポイント低下して19.9%になった。

 しかし、こうした状況でもアップルの新型スマートフォンは中国で健闘したようだ。同国の都市部では「iPhone 7」が機種別販売ランキングで6.6%のシェアを得てトップとなり、急成長の新興メーカー、オウポ(広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)の旗艦モデルである「R9」(シェア4.7%)を上回った。

欧州でも好調、英国では9.1ポイント上昇

 このほか、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)を見ると、Androidのシェアは1年前から1.7ポイント上昇して72.4%に、iOSは同2.8ポイント上昇して24.6%になり、いずれのOSも好調だった。

 このうちiOSについて詳しく見ると、そのシェアはドイツで3.2ポイント低下したものの、それ以外の4カ国ではいずれも上昇。とりわけ、英国では、1年前から9.1ポイント増と大きく伸びて48.3%となり、Androidの49.6%に肉薄した。

 最後に日本市場を見ると、iOSのシェアは1年前から3.3ポイント伸びて57%に、Androidは同2.4ポイント低下して42.3%になった。

 カンター・ワールドパネルは世界9カ国を対象に調査しているが、その中でiOSのシェアがAndroidを上回るのは日本のみ。こうした状況は1年以上前から同じだ。

 なお、カンターのアナリスト、ドミニク・スネボ氏によると、iPhoneは毎年、新モデル発売直後の年末商戦時期にシェアが伸びており、今回もiPhone 7シリーズの市場投入がシェア拡大に寄与した。

 ただし、「この9〜11月の需要の高まりが、今年1〜3月まで続くかどうかは今のところ分からない」と同氏は述べている。 

筆者:小久保 重信